羊文学。一度聞いたら忘れない名前です。FM NACK5「J-POP TALKIN’」に新しい人たちや新しい曲を紹介する「NEW SONG NEW COMER」というコーナーがあるんです。レコード会社がアーテイストのコメントももらってくれます。
先日そこで紹介したのが羊文学のアルバム「our hope」。その時もいいアルバムだなと思ったんですが、先週のオリコンアルバムチャートのトップ10、7位かな。過去最高位。最近、チャートに興味が薄れてきてたんで、ちょっと嬉しかったです。
何が嬉しいかはよく分からないですけど(笑)。同じように最近、新しい人たちの音楽から心理的にも距離を感じてる中で、自分がいいなと思ったアルバムがいい結果を残してるのを見てそう思ったんでしょう。
これはもう20年くらい前からそうですけど、チャートに入っているのはアニメやアイドルばっかり。コロナになってからはライブもやらないボカロ系が席巻していて取りつく島がなくなっていたというのもありますね。
女性二人、男性一人の3人組。”羊”という牧歌的な動物と”文学”の組み合わせ。その名前だけで惹かれるものがありました。詞曲を書いているのはヴォーカル・ギターの塩塚モエカさん。2020年メジャーデビュー。結成10年。まだ20代半ばです。
女性ボーカルや女性だけのバンドは増えてますけど、そういう流れに入らない印象だったんですね。何が良かったかというと、これも当たり前のことですけど、声と曲、バンド全体から感じられる空気ですね。
地に足がついている。若いバンドにありがちなはしゃいでいる感じがしない。どこか遠いところを見ているような懐の深さ、視線の大きさ、すでに大きなライブを経験しているようなオーラがある。客席や会場の空気を受け止めている感じなんです。
ミディアムな曲が多いせいもあるんでしょうね。例が卑近すぎますけど、歌はあいみょんとGLIM SPANKYの松尾レミさんを合わせたような感じかな。明るさよりも憂いとか翳りとか神秘的な詩情がある。雰囲気があります。
歌っていることも「若さ」に媚びてない。抽象的な言葉も使ってるけど難解にならない。デビュー前にフジロックの新しい人たちのステージで評判になったそうですけど、ライブ、いいだろうなというのも第一印象でした。
新しい人たちのライブはなかなかお誘いがなくなってますけど、6月の東京公演は見せてもらおうと思いました。というわけで、今日もいきなりの雨。明日はどうなるでしょうか。アルバムの中の「ワンダー」という曲を。じゃ、お休みなさい。
4月に配信で発売になった佐野元春&THE COYOTE BANDのアルバムですね。2019年から2021年までに配信で発売された曲に新曲を加えた10曲。コロナ禍を彼がどんな風に受け止めていたかが感じ取れるアルバムです。
アルバムの第一印象が「軽さ」ですね。足取りの「軽さ」。デビュー当時の彼を象徴する言葉として使われていた「スピード感」とは少し違う。同じアスファルトの上でありながら「駆け抜ける」感じじゃない。
「走る」より「歩く」。コロナ禍で死んだようになってしまった街を歩く。空を見上げてあたりを見渡して風を感じながら歩いてゆく。自分の行き先にたどり着くことに集中するのが若さだとしたら、もう少し余裕がある。
同じロックンロールでも「疾走」するような勢いではなくスカやレゲエやジャズなどの多様なリズムを楽しめている。空気や景色で足取りが変わるように軽やかに跳ねている。それは結成15年以上になるTHE COYOTE BANDならではです。
佐野さんの歴代のバンドにはTHE HERTLAND、THE HOBO KING BANDと三つ目がCOYOTE BANDになるわけですが、一番長い。結成当初はシャープなオルタナティブ・ロックという印象でしたけど、もっと豊穣な感じが備わってきました。
人に会えない、集まれない。そんな鬱々とした空気を吹き払うような軽さ。歌われているのは彼にとっての「エンターテインメント」です。テレビなどで流れてくる安易な「娯楽」じゃない。「癒し」や「励まし」も含んでいる。
自分のことで精一杯なのが「若さ」だとしたら、人々の哀しみや世界の不幸も受け止めて浄化する音楽。絵空事ではない「希望」を伝えることの出来るロック。今、「みんな」と共有したい気持ちを10曲に託したステートメントのようなアルバム。
年を取るとどんどん「重く」なってゆく中での「軽さ」。それが彼にとっての「ENTERTAINMENT」でもあるんだろうと思いました。7月には第二弾が出るそうで、それも楽しみになります。目下ツアー中。東京は最終公演、7月2日です。
というわけで、5月に入りました。いつものように連休は関係なし。明日も原稿。軽やかな気分で行けたらな、と。佐野元春さん、アルバム「ENTERTAINMENT!」から「東京に雨が降っている」。今日も激しい雨でした。じゃ、お休みなさい。
という気分であります。FM NACK5「J-POP TALKIN’」のSIONのインタビューの完パケがあったんですが、うまく喋れない。もともと話が上手だとはこれっぽっちも思ってないですけど、こんなに下手だっけと思ったり。
話がまとまらない。噛んだり言い損ねたり。話したいことは見えてるつもりなのに言葉が足りないままだらだら喋ってしまう。思ってることと言ってることが違う。最終的には編集で何とかしてくれるんでしょうけど、そういう度合いがひどくなってる。
これはもう年齢ですよ、それ以外にはありません。ディレクターに負担もしわ寄せもいくわけで、申しわけないなと思ったり。原稿もそうなんです。不注意で初歩的な細かい間違いがほんとに多い。何でこんなことを、と自分で思うようなことばかり。
持続力がなくなってるんでしょうね。もう少し粘って時間かければ解決するところを我慢できない。頭の回転は鈍くなっても経験で乗り切れる、みたいなことが言われますがそうなれてない。自虐文が続いてますね(笑)。
この間、後5年は何とか、と書きましたけど、どうなるか分からないなあと。こんな状態でもやらせてもらってることをありがたいと思うしかないです。こんな日もあるさ、と思うしかない一日の終わりです。
曲ですね。SIONの新作アルバム「I Like This,too」から「やるだけやったら」。”残りの時間はまだ短くないぜ”と歌ってます。どちらかと言うと”死に急ぎ“型の人間だったSIONの還暦越えの心境なのかもしれません。
SIONのアルバムを聴いていて、日本にもトムウエイツみたいなシンガーソングライターがいるんだということを再認識しました。じゃ、お休みなさい。
なくなったんですね。73歳。去年の11月に松本さんの50周年武道館で歌うのを見たのが最後になりました。声出てたなあと思ったりしましたが、あの時も車いすだったそうですね。その前、ビルボード東京で見たのも去年だったと思います。
ガンの闘病は3回かな、その都度立ち直って素晴らしい歌声を聞かせてくれてました。コロナで時間の感覚がなくなっていて2年前だったか3年前だったか分からなくなってますけど、代官山のツタヤで鈴木茂さんとの対談の司会をしたこともありました。
69年にデビューした元エープリルフールのボーカル。細野さん、松本さん、柳田ヒロさんらと一緒のバンドですね。一年足らずで解散してしまって、細野さんは彼をヴォーカルで次のバンドの構想を描いていた。
でも、忠さんはロックミュージカル「ヘヤ―」のオーデイションを受けて合格、そっちへ行ってしまった。後釜になったのが大滝詠一さんだった。日本ロック伝説の第一頁。めぐりあわせの妙ということになります。
「ヘヤ―」の後にソロになるんですが、その時のレーベルは村井邦彦さんがミッキーカーテイスさんとやっていたマッシュルームレーベル。そのレーベルも早すぎていい結果を残せなかった。何と言っても75年のアルバム「ほうろう」でしょうね。
細野さんがプロデユースしてテインパン・アレイが演奏、松本さんも詞を書いていた。日本語のソウル・ゴスペルのオリジネーター。ただ、80年代以降はポップスシーンを離れてゴスペルに傾倒、自分で教会も持つ牧師さんになっていた。
ポップスの世界に戻ってきたのが2000年代に入ってから。さっきからその時のアルバム「PEOPLE」を聴いてるんですが、いいアルバムです。70年代に手探りで開いたブラックミュージックをゴスペル経由で歌いこなしている。
本物のソウルシンガー、ゴスペルシンガー。その後の活躍は説明は要らないでしょう。アルバム「ほうろう」は、武部聡さんプロデユースで有楽町国際フォーラムで再現コンサートも行われました。あれで知ったという若いファンは多かったでしょう。
FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」で特集したのもその時でしたね。ご本人に登場して頂きました。牧師さんならではの穏やかな話と年期を感じさせる歌の説得力。貴重な存在でした。
牧師さんですからね。天国に召されたことになります。誰でもいつか旅路を行くことになる。アルバム「PEOPLE」には日本語のオリジナルのゴスペルが入ってます。自分で詞も曲も書いていた「I believe in you」という曲は素晴らしいです。
忠さんと細野さんが曲で忠さんが詞を書いている「Here comes with the glory」という曲も名曲。”この世では旅人でも 向こうには住まいがある 何もも持たずに生まれて 裸で帰っていく”という歌詞。永遠の旅立ちの歌。これで送ろうと思います。rest in peace。安らかに。じゃ、お休みなさい。
太ったんですよ。コロナ太り。一昨年に比べると4キロ増。明らかにお腹も出てきてる。まずいなあ、とは思ってたんですが、昨日、FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の収録を終えてから帰る途中がほんとに身体が重かったんです。
足取りが重かったというのかな。収録が思うようにできなかったとか、いい話が聞けなかったというんじゃないです。「ムーンライダーズ特集」の前半二週、ゲストは鈴木慶一さんと参加ミュージシャンの佐藤優介さんと澤部渡さん。
お二人は新作アルバム「It’s the moonriders」にメンバー6人と一緒に演奏したり曲を作ったりしている。ムーンライダーズのトリビュートバンドをやっていたという1989年生まれと1987年生まれ。慶一さん1951年生まれ。世代を超えてます。
3人でアルバム全曲を語るという収録。話は思ったより弾んでアルバムの細部が明かされるという展開にはなっていて、実に面白かったんです。そういうインタビューは収録の帰りは足取りが軽くなったりするわけですが、そうじゃなかった。
ぐったりしてるという疲労感もない。ともかく身体が重い。何でこんなに感じなんだろうと思ってふっと体重かもしれない、とスマホで調べたんです。「身体が重いと感じる体重増」と調べたら色んな人がデータを紹介してました。
だいたいの方がボーダーラインは3キロと言ってるんですね。3キロを超えると身体が重く感じる。思い当たったわけです。4キロですからねそう感じて当然ということなんでしょう。70キロを超えるのは生まれて初めてですからね。
しかも気温の変化。昼と夜の気温差も相まってる。それに輪をかけて年齢ね。思い知らされてます。コロナ禍でのダメ押しね。残り時間を考えながら何をやるべきかを考える。ということよりも食生活を見直すことの方が先か(笑)。
何とか5年先まで行ければその先はもう考えない。そんな気分になってます。色んなアーテイストのインタビューもこれが最後、みたいな気分で臨もうと。やり残しのないように。「ムーンライダーズ特集」もそんな一つになりそうです。
去年、人間ドックで言われましたからね。体重よりも内臓脂肪が増えることがよくない。きっとそういう感じなんだと思いますよって、何を書いてるんだ(笑)。明日から連休なんですね。今、気が付きました。
というわけで、どうでもいいこと書いたなあ、と思いつつ。曲ですね。みゆきさんの「ラストツアー」の後編も5月中。5月は割と色々あります。みゆきさん「人生の素人」を。この先をどう生きるべきかなんて語れる人はいないでしょう。みんな素人です。じゃ、お休みなさい。