再びムーンライダーズ。今週、FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の5月の特集、「ムーンライダーズ」の三週目の収録。一週目、二週目が11年ぶりのアルバム「It’s the monriders」の全曲紹介。後半3週はヒストリーですね。
ゲストは鈴木慶一さん。彼が自分たちの45年を物語る曲を選んでくれてそれらの曲について話してくれます。でも、お任せしっぱなしでは話が成り立たないわけで、こちらもおさらいをしていかないといけません。
この前も書きましたけど、彼らの45年は、かなり特殊、というか例がない。40年以上のバンドですら珍しいですし、あれだけ時代によって音楽が変わったりしているバンドも他にいません。もっと言ってしまえば誰もが知ってるヒット曲もないわけです。
そういうところで語れない形で存続している。アルバムごとにやろうとしていることが変わってきている。バンドの活動もですね。何度か活動休止をしてでも終止符は打たない。またバンドに戻ってくる。
レコード会社も転々。流浪のバンドでもある。メンバー6人がソロアーテイスト、プロデユーサー、ミュージシャン。リーダーもいない完全民主主義バンド。続いていることだけで特筆されなければいけない。
この間もこれまでのアルバムを聴き直していたんですが、まだ全部が辿れてなくて収録までに終えないといけない。幸い、サブスクにはほとんどあるんですが、中には今手に入らないものもある。辿り甲斐がありますよ。
時代の流れに左右されない。それでいて時代と向き合って取り込んでいる。メデイアというのは逆ですからね。時代の流ればっかり追っているともいえる。左右されるものを扱うことがタイムリーと思っている。
妙な言い方をすれば、自分の仕事もその中で流されてきたということを反省させられる時間という感じですね。結局、目立った人たちやメジャーな形で見えている人たちに目が向いていた。見落としていたことばかり。
もし、80年代や90年代みたいな目まぐるしい仕事のままだったら、こんな風にじっくりと聴き直すことも出来なかったでしょうし、縁がないままになっていたかもしれません。ずっと同じ時代を過ごしていたのにね。
FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」をやっていて良かったと思えるのはそういう時ですね。神格化されている人たちのことについてはもう語り尽くされている感もありますし。再評価、再認識の機会になればという感じです。
慶一さんが選んでくれた曲をもとにどんな受け皿になれるか。明日もそんな時間になりそうです。というわけで、曲ですね。ムーンライダーズでは知られている方に入る曲でしょう。「9月の海はくらげの海」。まだ早いですけど(笑)。じゃ、お休みなさい。
インタビュー無事に終わりました。ご本人が以前に出て頂いたことを覚えてくれていて極めてスムーズでした。「J-POP TALKIN’」は雑誌の取材と同じような感覚なんで台本がないんですね。どんな話になるかやってみないと分からない。
もちろん、僕の中ではこういう話で入って、その話が広がったらこっちに行って、そこからこんな話まで行けたらいいとか、いくつかの流れはシミレーションして臨むわけですが、今、そんな番組ありませんからね。
台本はもちろん事前に内容を知らせるとか、曲目を決めてこんな話をしましょう、こんな話をさせてほしいというやり方がほとんど。現場のスタッフにとってみれば不安にもなるわけですが、それも杞憂に終わりました。
アルバムは去年、一昨年に配信した37曲に新曲2曲を加えたもので、普通のように一定の制作期間があって締め切りに向かうという作り方をしてません。アルバムだと一枚にメリハリをどうつけるかという配慮も必要。でも、今回はそうじゃない。
そういう作り方だからその時その時の気分が記録されている。日頃どんな風に音楽と向き合っているかとか、音楽と人生、ともかく自由で自然体。彼らしいインタビューになったんじゃないでしょうか。
デビューした時に曲が何百曲もあったという話を聞いたこともあります。曲を書くのに悩んだことがない。サーファーにとって海や波が人生であるようにつねに音楽と一緒に暮らしている。「業界」を超越している自由人でしょう。
敢えて言葉にすれば、ハワイの「アロハ」スピリットとかヒッピーの「LOVE&PEACE」のようなあり方が、そんな風に例えるまでもないくらいに自然。それが音楽に出ている。こういう人は今いないなあと再認識させられました。
最近の若いシンガーソングライターの書くラブソングに最も影響を与えているのが彼でしょうね。でも、そんなことは全く意識してない。それがどうしたの、という感じでした。ウクレレもギターも世界レベル。まだ31歳であります。
オンエアは5月21日と28日。少し先ですね。というわけで、曲ですね。何気ない日常の優しさを歌った曲を。「題名のない今日」。彼が「今、日本が世界で一番LOVE&PEACEだと思う」と言ったのが印象的でした。じゃ、お休みなさい。
正式には”LINE CUBE渋谷公会堂”ですね。でも長いから短縮通称形。コンサートタイトルももっと長い。「パイナップルロマンスのその先へ 雨のバカ~2022」というのが正式。今日は真夏日で雨も降ってない。でも、そういうタイトルなんです。
「雨のバカ!」というのは音楽史に残る台詞でしょうね。BOOWYの「ライブハウス武道館へようこそ」とか、拓郎さんの「つま恋」の「朝までやるよ、朝まで歌うよ」みたいな類になりますね。
1989年の西武球場コンサート、二日目。バックスクリーンに雷が落ちるのが見えるという激しい雷雨でコンサートが中断。彼女はアカペラで「マイリボリューション」を歌って終えるしかなかった。
涙と雨でぐしょぐしょになりながら「青春のバカヤロー、雨のバカ~!と叫んだというシーンでした。このコンサートはその中断せざるをえなかったところから本来歌うことになっていた曲を歌って、更にその先にある今を見せようというコンサートでした。
89年ですからね。33年経ってその先を完結させ、更に今に至るまでを見せる。こういうコンサートは多くないです。しかも、西武球場ではおなじみのメンバーだったギタリストの佐橋佳幸さんとサックスの山本拓夫さんも参加してました。
いくつもの時代の彼女のバンドマスターも今のメンバーに加わった最初で最後かもしれない豪華なバックでのステージは何と3時間。何曲歌ったんだろう。13曲メドレーというのもありました。
声、出てましたねえ。19歳の時に書いた曲も歌ってましたけど、当時よりも堂々としている。デビューした時から年齢を感じさせない歌いっぷりの人でしたけど、それみ変わらずに年期が入っている。
「19歳の秘かな欲望」の時は、敢えて自分の年齢をそこに当てはめてましたからね。「恋するパンクス」というロックンロールがあるんですが、サックスの拓夫さんとマイクアクションまで披露。鍛えてるんだなあと思いました。
女性アーテイストの単独連続スタジアム公演は世界でも稀有な例でしょう。調べたら映像のボックスもダイジェスト的なものしか出てないみたいですね。アルバムも86年の「Lovin You」から93年の「BIG WAVE」まで7作一位。
80年代がブームになってるみたいですけど、彼女のことは色んな形でアーカイブされるべきじゃないでしょうか。現役であり続けてるんで、こういう言い方は彼女も好きじゃないのかもしれませんが「伝説」であることには間違いないです。
というわけで、三連休終わり。お天気に恵まれました。早くも熱中症になりそうでした。明日は平井大さんのインタビュー。何だか大変そうな気がしてきました。無事に終わることを。
曲ですね。美里さん「GROWIN’UP」を。”夢を捨てないで”という言葉が妙に響きました。もはや「夢」、持てないですもんね。捨てないようにしましょう。じゃ、お休みなさい。
発売は5月9日。来週の月曜日。明後日にFM NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビューがあります。今日と明日はその準備。平井大漬け(笑)。アルバムは約3年ぶり。インタビューは5年ぶりですね。
アルバムは何と23曲入り。去年の3月から今年の4月にかけて毎月配信してきた21曲に新曲が2曲。ほぼ順番に並んでます。それがDISC1、DISC2がボーナスデイスクで16曲入り。これは去年の5月から12月までに配信された14曲にバージョン違いが2曲。
二枚組で全39曲。「サンキュー」ということなんですが、二年間でこんなに沢山の曲を送り出した人はたぶん彼だけでしょう。ライブが出来ないという状況を「創作」という形に結実させたという意味では特筆すべき例でしょう。
それもほぼ全ての曲がラブソング。恋人や夫婦、色んな交際段階、積み重ねてきた様々な年齢に合わせたような設定の曲がある。バレンタインや記念日というカレンダーのようなラブソングから親しい人がなくなったんだろうな、と思える設定の曲もある。
平井大さんは二十歳の時にハワイのホノルルフェステイバルのテーマを歌って注目された人ですね。91年生まれ。ギターとウクレレを同じように弾きこなす稀有なプレイヤー。ハワイとLAがこれまでの創作の拠点でした。
コロナ禍で海外に行けない。当然、創作のモードも変わるでしょうし。それがこのアルバムということになります。ラブソングの新境地でしょうし。ある意味の集大成という感じもあります。
インタビューは2016年の「Life is beautiful」、2017年の「ON THE ROAD」以来。前者は、ハワイの海と空を思い浮かべさせるサーフミュージックの傑作で後者はアメリカのカントリーも加わった気持ちのいいアルバムでした。
その頃とはかなり変わってきた。状況も変わりました。当時は知る人ぞ知る、みたいなところがあったんですが、今や「紅白」。SNSの再生回数は累計50億回という計算もあるようです。エイベックスではSNSで最も聞かれている人だそうです。
だいたい「紅白」に出るようになるとラジオは断られる、出てもらえない。今回のアルバムのインタビューももう受けてもらえないかなと思ったんですが、大丈夫でした。まだ明日一日あるんで予習ですね。
というわけで、平井大さん、アルバムタイトルにもなっている新曲「HOPE」、ゴスペル調が新鮮です。明日は渡辺美里さんの渋公。お天気もよさそうです。じゃ、お休みなさい。
今朝何気なく「毎日新聞」を見たら一面のコラム「余禄」で達郎さんの新曲について書いてました。アルバムが出ることはもちろん知ってましたけど、この曲は恥ずかしながら気づいてませんでした。4月27日に情報解禁されてました。
コラムの内容は今日が憲法記念日だということと新曲のタイトル「OPPRESSION」という言葉について。曲のタイトルには「弾圧」という訳がついてますけど、その言葉は日本国憲法の前文の英語の原文で使われているんだそうです。
憲法の前文は「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」。その「圧迫」という言葉の原語が「OPPRESSION」ということでした。大切なことを教えられた気がしました。
いい曲だなあと思いました。抑制されていて品があってスピリチャルなソウルミュージック。歌の内容も何をどこまで言えばいいのかを踏まえている。「戦争」ではなく「銃声」という言葉に色んな意味を持たせている。
「銃声」が聞こえて「見る影もない」街。ウクライナだけじゃなくて世界のあちこちで繰り返される光景。「弾圧」の中で何も言えない、何も伝えられない、そして何もできない。なぜ、どうしてそうなるの、という最も率直な心情。
ミュージックビデオもあるのですが、歌詞が流れるリリックビデオ。ニュース映像とか使ってないことに共感しました。ありがちなメッセージ映像にならない。プロモーション映像じゃない。各国語の歌詞があるのもいいですね。
ポップスで出来ること。政治的なレッテルを貼られずに一番肝心なことを歌っている曲。でも、「許してはならないことあったはずじゃなかったのか」と静かな怒りも籠められてます。そう、「許してはならないこと」があったはずです。
5月3日に憲法のことを触れたのことは今まであったかな。あまりなかったんじゃないでしょうか。75回目。団塊の世代と同じ。そういう意味では僕らは憲法世代ということになるのかもしれません。
今年は違って感じるのは、この気に乗じての「改正論」が大手を振り始めてるからでしょうね。いやーな感じもあります。「変えるか変えないか」「賛成か反対か」という二者択一の議論も不毛な気がしますし。
一番肝心な「理念」が置き去りにされてる。「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」という今の憲法の三つの柱が生かされるのなら「変える」ことは不自然ではないと思うのですが、それより条文の手直しみたいな話が先行してるように見えます。
戦争がこんなにリアルになった今だから必要なことをその柱に沿って考えることになればいいのに。「小さな真実」と「許してはならないこと」。「OPPRESSIN BLUES(圧迫のブルース)」にもそんな言葉が使われてます。
達郎さんの根底にあるのは名曲「蒼茫」が象徴してると思ってるのですが、この曲もそんな彼の人間性を伝えてくれてます。是非、一度。曲ですね。「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」を。じゃ、お休みなさい。