FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の5月の特集「ムーンライダーズ」。鈴木慶一さん自薦22曲を通しての45年、46年アーカイブ。最終週は前半二週の「全曲紹介」でも登場した若いミュージシャン、澤部渡さんと佐藤優介さんも参加、和気あいあいの締めくくりでした。
慶一さんが自分で言われてましたけど、自薦という形でバンドのキャリアをたどるということ自体がやったことがなかった。そんな風に簡単に曲を選ぶことは出来ない、ということだったんでしょう。よく引き受けて頂けたと思いました。
思ったよりはるかに全体像が大きかった。昨日も書きましたけど、知れば知るほど多面性に惹かれてゆく。迷い込んでゆく楽しみと言っていいかもしれません。知らなかったことを知ってゆくというのは楽しいことだと思える一か月でした。
それが仕事になっているわけですからね。幸せなことだと思います。普通の生活をしていれば、興味があったりしても丸々何日もそのバンドやアーテイストのことを知るために費やすことは出来ないでしょう。
代表曲を聴けばそれで知ったような気になれるというバンドじゃない。それは彼らが望んでそうなったわけじゃなくて、結果的にそうなった、ということなんでしょうけど、そういうバンドが45年間続いている。
なぜそうなれているか、というのもお分かり頂ける5週間になっているのではないか、と自負してたりもしますが、一番楽しんだのは僕かもしれません。慶一さんがラジオ番組でこういう形で振り返るのは初めてと言われてましたけど保存版でしょう。
「LEGEND FORUM」をやっていて良かったと思いました。ということで頭を切り替えて、明日からみゆきさん。「ラストツアー・結果オーライ」の追加取材があります。曲ですね。何でしょうね。
ムーンライダーズの新作「It’s the moonriders」から「親より偉い子供はいない」を。しばらく頭の中で鳴ってました。フォークルの「帰ってきたヨッパライ」を思わせる台詞。江戸っ子のウイットという感じです。じゃ、お休みなさい。
明日”も”、ですからね。明日がFM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の「ムーンライダーズ」特集の後半二週の収録。いつもは二週ずつ収録してますが、今月は5週。三回に分けざるをえませんでした。
前半二週は新作アルバム「It’s the moonriders」の全曲紹介。鈴木慶一さんとアルバムに参加した若いミュージシャン、澤部渡さんと佐藤優介さんの3人でのトーク。三週目からは鈴木慶一さんが一人で話してくれます。
彼が選んでくれた22曲で45年を辿るという三週間。これまでのアルバムを聴き直してました。こういう機会じゃないとそんな風には辿りなおせません。今までも視界に入っていながらどこかで近寄り難い感じもしてました。
面白かったですねえ。そういうことか、そうだったのか、こういうことだったのか。やっとわかったムーンライダーズ。それぞれの個性がどういうものか、それがどういう形でバンドの一要素になっているのかがやっと分かってきた。
6人6様というのはこういうことだ、という多面性と多様性。見る角度で光り方が変わってくる。万華鏡のような職人バンドという感じ。陽もあれば陰もある。楽観と悲観、ペシミズムとオプチニズムが一体になって同居している。
東京のバンドというとはっぴいえんどがすぐに上がりますけど、はっぴいえんどは港区とか渋谷区。都心ですね。ムーンライダーズは浅草や上野から羽田、大森あたり。墨田川も羽田空港も東京湾もある。
音楽はもちろん文学や映画、演劇、色んなカルチャーも混じっている。そういうマニアックなカルト性ということでは史上最大のバンドと言っていいでしょう。しかもアルバムごとに全く色が違ったりする。そういうことがやっと分かりました。
遅かったですけどね。明日の話もどうにかこうにかついてゆくという感じになりそうです。で、明日”も”、というのは昨日も慶一さんのインタビューだったんですよ。それはNACK5「J-POP TALKIN’」。慶一さん一人でした。
「LEGEND FORUM」は進行台本があるんですね。生放送のように収録して話を編集してゆくんですが、「J-POP TALKIN’」は台本なしのフリートーク。同じようにアルバムの話をしても少し違ってると思います。
ということで一か月間の「ムーンライダーズ」漬けの締めくくり。無事の終わることを願いつつ。曲ですね。”死”や”老い”の哀愁をこんなに歌ってきたバンドは彼等だけじゃないでしょうか。それも改めて思ったことです。
新作アルバムのキャッチコピーに”老齢ロック”という言葉がありました。アルバムから「再開発がやってくる、いやいや」という曲を。こういうスローラップは聴いたことがありません。安易さを良しとしないマニアックなこだわりです。じゃ、おやすみなさい。
神田明神にコンサートホールがあったんですね、知りませんでした。THE COLLECTORSのギタリスト、古市コータローさんのライブ。3月に5枚目のソロアルバム「Yesterday,Today&Tomorrow」が出ました。
NACK5「J-POP TALKIN’」で初めてインタビューしたんですが、思っていた以上に魅力的な男性でした。1964年生まれ。貴重な50代の男性シンガー・ソングライター&ギタリスト。バンドでは見てますが、ソロは初めて見るライブでした。
で、場所が神田明神ホール。僕は大学がお茶の水でしたから、あの界隈は割と馴染みな感じがあったんですが、神田明神は中央線の反対側ですからね。場所も思い当たらなかったんですが、何と神田明神の境内にありました。
一階はお土産屋さんとか資料館がある二階。スタンデイングだと1000人は入るでしょうね。ウッデイなイメージを残した立派なホール。古市さんは生粋の東京っ子。神田は好きな街だと言ってましたけど、似合いの会場でありました。
良いコンサートでしたよ。コータローさんとプロデユーサーの浅田信一さんのツインギターとドラム、ベースというシンプルなバンドのギターロック。一応座席はあったんですが、すぐに総立ち。久々のステンデイングライブとなりました。
コロナになってからコンサートも少なくなって、たまのライブもキャパ半分、座席でばかりでしたからね。ほぼ3年ぶりのスタンデイング。1時間くらいしたら下半身が重くなってきて最後は立ったり座ったり。やばいなあと思いつつでした。
見どころは二つでしたね。一つはさっき書いたツインギターの鳴りや響き。ギターを弾いて歌うというソロアーテイストで思い浮かぶのは布袋さんやCharさん、なくなった柳ジョージさんくらいでしょう。
布袋さんは別格としても60年代や70年代のロックンロールやブルースなどを踏まえたオーセンテイック、つまり正統派なロックを下地にした人はほんとに少ない。彼が書く曲も男の哀愁みたいなハードボイルドタッチの乾いた詩情が漂ってる。
もうひとつの見どころがドラムを息子さんが叩いてること。MCで「まだ酒が飲めない」と言ってましたから19歳か。渋めのロックに外連味のない若々しさを注入してました。ステージは初じゃないですけど全曲一人で叩くのは初めてでしょう。
コータローさんは10代の早い時にご両親をなくして天涯孤独になって破天荒な青春を送った人。中学生で学校に二日酔いで行ったというエピソードもある。そういう父親の背中を見ている表情が実に良かった。
コータローさんのその頃のMCを聞いている控えめな笑顔に親愛の情がこもってました。最初は硬さみたいなものも感じましたけど、後半はバンドを手堅く支えてました。いいロックドラマーになるだろうなと思いました。
番組でのインタビューはライブを見たアーテイストが多かったんですが、最近はインタビューが先になったりする。アーテイストがアルバムはライブで完結するといいますけど、僕のインタビューもライブを見て完結。そういう時間になりました。
でも、久々にお茶の水の駅に降りて今まであった改札口が移動してなくなってるんでビックリ。東京は変わりつつあります、って当たり前か。というわけで曲です。古市コータローさん「ウイスキー」という曲を。じゃ、お休みなさい。
三日間空きました。空いた方になりますね。昔は便りのないのは良い便り、とか言ってましたけど、この年になるとそうもいかない。しばらく連絡がなかったと思ったら入院してたとか珍しくないです。下手したらもっと悲しいことになってる。
そういうことじゃありません。三日間、夜はそんな感じでした。10日はミスチルの東京ドーム。30年前にデビューしたその日。素晴らしいコンサートでしたよ。感動的、本編最後にはちょっと泣きました。
隣に同業の小貫信明さんがいたんで気づかれないようにしましたけど史上最高の東京ドームと思えました。もちろん何かと比べたわけじゃなくて、そういう気分になれたというだけですが、観客として幸せな瞬間を味わえました。
で11日はムーンライダーズ特集の一週目の収録。ゲストは鈴木慶一さん。彼が選んでくれた22曲を使って45年のアーカイブ。ムーンライダーズという史上最強の趣味的バンドがどういうバンドなのか、発見の連続でした。
そして、昨日、ブルーノート東京というジャズクラブで行われたゴダイゴのライブ。ギターの浅野孝己さんがなくなって三回忌の日に行われた追悼ライブ。一日二回公演をリハーサルから見てました。長かったです。
これはまだ早いのかもしれませんが、勿体つけていてもしょうがないんで書いてしまいますが、シンコーミュージックの「ALL AREA」でゴダイゴのことを何回かに分けて書くんですよ。それもあってのライブ取材でした。
前にFM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の「ミッキー吉野特集」の時にミッキーさんと話していて、そういう話になったんですね。ただ、ゴダイゴは今まで距離があったんでかなりプレッシャーはあります。
あれだけの実績のあるバンドを改めてどう書くか。昨日も食い入るように見てました。ヒット曲のある人気バンドというだけじゃない素晴らしいロックバンドだということを実感したんで、これが入口、拠り所になるでしょう。
そういう三日間。みんな同じように夜だったんで食事も遅くなるし寝るのも夜が深くなる。身体は重いし疲れが取れない。10年前は何ともなかったことがどんどん負担になってくる。ここを書く余裕はありませんでした。
10年前に一日に10出来ていたことが今は5か6くらい。これが現実だとしたら、もうツアー取材は無理かもしれないな、と思ったり。みゆきさんで「最後のツアー」が締めくくれませんでしたから、もう一回やれたらと思ってるんですが。どうなりますか。
そんなこんなの三日間でありました。今月は「ALL AREA」のみゆきさんの「ラストツアー・結果オーライ」の後編もある。書けるかなあというプレッシャーがひしひしです。ストレスじゃないんですよ、プレッシャー。
これはよく言うんです。「プレッシャーはあるけどストレスはないよ」って。ストレスは自分でどうにも出来ないこと。プレッシャーは自分次第。つぶされたら負けです。ということで、久々になりました。
曲ですね。これも久々に「MUSIC STATION」。Mr.Children特集とCD売れ行きトップ10アーテイスト。面白かったですね。CDランキングということ自体がどこか懐かしい。ミスチルのこの曲も入ってました。「HANABI」を。”もう一回”ということが言えるうちが花です。じゃ、お休みなさい。
4月23日に始まった30周年ツアー「半世紀へのエントランス」の東京公演。11日発売のベストアルバム「2011~2015」「2015~2022&NOW」にメンバー4人の座談会の映像の中で桜井さんは「30周年に縛られたくなかった」と言ってました。
「30周年」ではなく「半世紀」、つまり「50周年」への入り口という認識。「ここまで来た」ではなく「ここから始まる」という感覚。レッテルとか先入観とかパブリックイメージに縛られない。彼ららしいと思いました。
その座談会の中で、桜井さんが「成功者の言葉が響かなくなるのが怖かった」という話をしてたのが印象的でした。「言葉のリアリテイ」を失わないようにするにはどうすればいいのか。「半世紀への入り口」というのもそんな例じゃないでしょうか。
あれだけの実績を残しつつ、そこに安住しない。むしろそれに縛られることを避けている。ベストアルバムはそのための内省の軌跡に思えました。きっとそういうライブになっているのでしょう。
「30周年」を祝うというより「半世紀」への旅立ちツアー。潔くも清々しいライブになるような気もしますが、どうなりますか。東京ドーム、久しぶりなんですよ。いつ以来だろう。少なくとも2020、2021年は行ってませんからね。
その前の記憶が飛んでしまってる。野球中継とか見てると随分綺麗になったみたいな話もありますし。きょろきょろしてしまうかもしれません。今日も気温は冬日。今、外は10度を超えたくらい。寒かったです。
というわけで、東京ドームの前に取材が一本。何の取材かはおいおい書いてゆくことになると思います。こういう話が書けるのもいまのうちだなあ、と思う今日この頃です。曲ですね。ベストアルバムの「2011~2015」の最後の曲「未完」。
終わる話ばっかりですからね。「未完」。「未来へ続く扉ノック」する感覚を思い出せれば。じゃ、お休みなさい。