昨日は暑かったと思えば今日は肌寒い。気温差は10度はあったでしょうね。毎日、朝、その日の予想気温を確かめて着てゆくものの考える。まだ秋物も出してないし夏物をしまうわけにもいかない。真夏からいきなり冬。秋はどこへ行ったんでしょうか。
季節が失われてゆく。これはもう10年くらい前から言われてますけど、そうなると歌の歌詞も変わって来るでしょうね。泉谷さんの「春夏秋冬」みたいな四季は歌えなくなる。小田さんの「秋の気配」もそう。日本の歌が変わってゆきます。
なかなかいい導入になったな、と自分で頷いてますが(笑)。明日、評論家のスージー鈴木さんとの対談。テーマが「歌詞」なんです。媒体は集英社が出している季刊誌「kotoba」。初めての依頼ですね。特集は「いい歌詞の研究」なんだそうです。
他にどういう人たちが登場するのかは存じ上げませんが、スージーさんは「80年代音楽ノート」の時にお世話になりましたからね。1966年生れ。僕より20歳も若い。今、一番フットワークの軽い音楽評論家でしょう。
もと広告代理店ですからね。メデイア感覚や時代とキャッチするセンスは折り紙付き。自分で曲も書いたりするんで音楽的な分析が出来る器用な方ですね。「歌詞」についても色々書かれているんで共通の土俵もある。
「J-POPの言葉を変えたアーテイスト(曲)」というのが課題で選ぶ曲は6曲。そんなに大きなテーマで6曲は無理でしょう、という感じではあったんですが、用意しました。そういう形だとやっぱり70年代の曲になってしまうんです。
しょうがないんでしょうね。いつの時代にもエポックメイキングな歌詞もあるしアーテイストもいるわけですけどどうやっても6曲にはならない。70年代にはそれまでの日本語の歌にはなかった詞が沢山生まれてますし、その中から選んでみました。
何を選んだかを書いてしまうと雑誌を見る人がいなくなる(笑)。どんな話になるか、楽しみにしながら行こうと思います。雑誌で「歌詞」について話をする。そういう機会はほんとになくなりましたからね。
でも、「歌詞」が顧みられなくなってるわけじゃないと思うんです。テレビでは「この歌詞がぐっと来た」みたいな特番も多いですし。でも、今、そういう番組で取り上げられるのは「分かりやさ」が優先される感じですよね。
誰にでもあてはまる「あるある」的な歌詞。そういうものばっかりになるからどんどんつまらなくなるという悪循環もありますがそうじゃない話になるでしょうね。もっと「言葉を聴こう」という感じかな。
米津さんとか、King Gnueとか、若い人でも質の高い詞を書いている人は多いですからね。そういう人たちの話はもう若い人たちにお任せしようかなと思ったりもしてますが、いや、してないか(笑)。僕にも語らせてという感じかも(笑)。
というわけで、明日のお天気。予想最高気温、29℃!今、21℃!今日は長袖でも寒かったですからね。明日はどうなるんでしょう。曲ですね。ユーミン。「ジャコビニ彗星の日」を。歌詞の中に「10月9日」という日付が出てました。
あの曲の入ったアルバムは「悲しいほどお天気」。いいタイトルじゃないですか。じゃ、お休みなさい。
どんな意味ですか、と思われる方もいらっしゃるでしょうね。息をのむ、か息詰まるか、どっちなんだろうと思ったり。でも、息詰まるのどこか苦しそうなニュアンスもあるから違うな、と。大げさに言うと呼吸するのもどこか惜しいみたいな感じで引き込まれる、見入ってしまうコンサートでした。
Mr.Childrenの去年発売になったアルバム「miss you」のアリーナツアー。昨日と一昨日、さいたまスーパーアリーナで行われました。まだツアー中ですから内容や曲目には触れませんけど、すごかったです、は、変か。そういう威圧的な感じは全くなかった。驚かされたとか圧倒されたとか、そういう類のすごさじゃないです。
あれだけのバンドですから盛り上げて客席を喜ばせることはいくらでも出来るでしょう。いやあ盛り上がりましたねえ的な歓喜と賞賛を求めようとしていない。アルバム「miss you」自体がライブの盛り上がりを想定していない作品に思えましたけど、更に純度を高めている気がしたんです。
あのアルバムはファンの間でも賛否両論だったようですね。僕の知り合いのミスチルファンも「僕の聴きたいと思っていたのと少し違った」と話してました。これまでにやってきたことを遮断して自分の姿を見つめているようでした。でも、あのアルバムから「アリーナ」は見えてこなかったんです。
ホールツアーは、そういうライブでしたけどアリーナですからね。どうやって見せるんだろうと思ったりもしましたけど、予想を遥に凌いでました。そう、「純度」なんですよ。混じりけがない。音も演奏も歌も言葉も不純物が介在してない。させていない。簡単に答えが手に入るやり方や手慣れた常套手段を全部捨ててる。
真っ新な状態の中で自分の「想い」を伝えるために必要なものだけで行われているコンサートに思えました。その純度と密度に意気をのんだ、という感じでしょうね。さいたまスーパーアリーナ、一番大きいランクの客席でしょうから1万9千人はいたでしょう。でも、そういう「数量的」なコンサートじゃなかったです。
客席に何人人がいようと「数」は別の問題、みたいな空気感。張りつめた、は違うか。透明な、か。それがすごかった。ライブ見ていてふっと連想したのが大貫妙子さんと坂本龍一さんが二人で行った2010年のツアーのライブアルバム「UTAU」だったんです。先月映像を見ました。何の根拠もないです。やっている音楽も違います。
でも、こういう空気、どっかで感じたな、と思ったらあのライブの映像でした。「静寂」と「間」、付け加えれば「誠意」が音楽になってる。Mr.Childrenはバンドで編成も違うのに、表現しようとしていることに共通する何があるような気がしたんです。それでいてアリーナですよ。こういうロックコンサートもあるんだ、と思ったりしました。
半世紀へのエントランスをくぐったわけですからね。これまでの彼らと違うところに向かって歩き始めた一歩ということでしょう。前人未到のロックバンドの「けものみち」が見えているのかもしれません。ということは曲はそれですね。アルバム「miss you」から「ケモノミチ」を。じゃ、お休みなさい。
NACK5「J-POP TALKIN’」の10月9日からの4週間ぶち抜き企画。メンバー4人リレーインタビュー。後半の収録をしました。後半はHISAHIさんとTERUさん。二人に会うのは3年前のアルバム「FREEDOM ONLY」以来。元気そうでした。30分番組ですからね。あっという間でした。
改めて思ったのが話がうまくなったなあ、ということなんですね。TAKUROさんは別として、デビュー当時は自分の思ってることを伝えるのが決して上手なバンドとはいえないタイプだったでしょう。もうそういう感じは皆無ですね。TERUさんもBAYFMの番組は25年くらいやってるのかな。HISAHIさんもFM FUJIでレギュラーを持ってました。
そうやって話しているうちに饒舌になってくる。そうやって成長してゆくわけですけど、キャリアを重ねれば重ねるほどラジオを大切にしてくれる人たちとそうじゃない人たちの違いがはっきりしてくる。何となくですけど「紅白」と「東京ドーム」が分岐点かな。必要がなくなるんでしょうね。
だから冷たいとか寂しいとか言ってるわけじゃなくて、そうやって大きくなってゆくんだということくらいは重々承知しているわけですけど、大きくなっても出てくれるという人たちに対してはほんとにありがたいなあと思うわけで、今回も改めてそういう気持ちになりました。
GLAYを初めて取材したのは、96年の3枚目のアルバム「BE LOVED」の時ですね。媒体は「パチパチ」か「毎日新聞」のどっちか忘れましたけど。その前の「BEAT OUT!」の時も話があったんですけど、氷室さんの取材でロスに行くことになってたんで日程が合わなかった。後付けですけど、それも偶然じゃない感じですね。
どこに惹かれたかは簡単ですね。曲が良かった。YOSHIKIさんのレーベルからのデビューでしたし恰好は見るからにビジュアル系でしたからね。そういうイメージを持っていたんですけど、そうじゃなかった。ギター一本で作ってると思えるあったかいメロデイーが新鮮だった。
そこからの活躍は説明の必要もないでしょうけど、沢山取材させてもらいましたからね。ソロアーテイストでは拓郎さんと浜田さん、バンドでは甲斐バンドとGLAYがそういう存在になりましたね。でも、バンドの魅力という点では群を抜いてましたし、90年代後半から2010年代にかけては沢山楽しませてもらいました。
20周年が近づいた頃から彼らが「デビュー30周年」という言葉をしきりと使うようになってたんです。でも、バンドは若い人たちが書くものと思ってましたからね、「その頃はもう俺はいないだろうな」みたいに思ったり。30周年のアルバムでしかも自分の番組でというのは感慨深かったです。
終わってからそんなことを思い出しながらのインタビュー。明日、JIROさんとTAKUROさんのインタビューの完パケです。というわけで、アルバム「BACK TO THE POPS」から「Beautiful Like You」を。TERUさんの成熟ぶりが伝わってくる曲です。じゃ、お休みなさい。
何の話をするつもりなんでしょうか(笑)。ここは音楽ブログということになってますが、と言ってそれに縛られるわけでもないですし、たまにはこういう話も書いてみたくなるという程度の話です。でも、その割に大変なことでもあります。
抜けたんですよ。それも先月から立て続けに奥歯に入っていた2本が抜けました。原因は、両方とも硬いものを噛んだはずみですね。その時はあれ、動いたなという感じで、その後、力を入れて噛むと背筋が伸びるように痛むようになりました。
最初は7月の終わりか。その時は抜けてはいなくて歯医者さんに行ったら、そういう時のブラッシングというのを教わって何とか痛みが治まってたわけですが、ある日、ブラッシングしようと思ったらぽろっと抜けてしまったんです。
今回、二本目もそうですね。一本目が抜けてしまって代わりに部分入歯を作りましょうと型どりをしたのが先週ですよ。それが出来る前にもう一本も抜けてしまいました。あれ、こんなに簡単に抜けるんだ、と半ば拍子抜け。呆気に取られるような感じです。
インプラントというのは金属の柱を骨に打ち込んでそこに歯をかぶせるわけですね。もう入れて10年以上経つわけで、本来なら骨に同化し始めてないといけない。だから辺永久的と言われるわけですが、そうなっていなかったんですね。
今までは歯茎がしっかりしてたからちゃんと埋まってなくても取れなかったものが、年齢もあって歯茎が退化して弱ってしまった。木の根元の土が減ってしまって根がむき出しになってちょっと風が吹いたら倒れてしまったという感じでしょうか。
インプラントは誇大広告みたいなものもありますからね。しかも費用がかかるんでお医者さんはやりたがるわけです。でも、熟練したお医者さんならいいのですが、そういう技術の未熟な人がやるとこうなるという見本みたいな例でしょうね。
古い、古ーい話なんですが、十年以上前に、つま恋で拓郎さんの展示会があったんですね。2009年の最後の全国ツアーがなくなった後ですね。カメラマンのタムジンの写真を使ったトークイベントでした。
あの前に近所のお医者さんで入れたのがこの2本だったわけです、そのお医者さんが一度失敗してその時も頬が野球のボールを入れたみたいに腫れあがってしまって口が開けなくて、筆談イベントにした、という曰くつきの歯でした。
抜けてしまったインプラントを見ながら「あの時の歯だよなあ」と妙にしみじみとしてしまいました。その時のことはここに書いたような記憶もあるんで後で調べて追記しておきますね。記憶の一部と別れを告げた、ということになるんでしょう。
色んなことが終わって行ったり、遠ざかって行ったり、縁がなくなって行ったり。78歳というのはそういう年なのかもしれません。でもね、インプラントは万能でも永久的でもないということは頭に入れられた方がいいかもしれません。
という健康談義でした(笑)。奥歯がないわけで、滑舌が厄介で笑ってる場合じゃありませんけど(笑)。というわけで曲ですね。9月23日は2006年の「つま恋」の日でした。みゆきさんと歌った「永遠の嘘をついてくれ」を。じゃ、お休みなさい。
今見たら2010年でした。この日、いらっしゃった方、お元気なんでしょうか。
NACK5「J-POP TALKIN’」の次のゲスト。10月9日に17枚目のアルバム「BACK TO THE POPS」を発売するGLAYのインタビュー。アルバム発売日が番組の放送日なのでそこから4週ぶち抜き。今日、前半二週分が行われました。
4週というのはもちろんメンバー4人が交互に登場するわけです。それぞれの選んだ4曲を中心にアルバムを語るという企画。3年前、前作アルバム「FREEDOM ONLY」の時の形が好評で今回も踏襲してみました。
今日収録したのはJIROさんとTAKUROさん。TAKUROさんは、二年前にソロアルバヌ「The Sound of Life」が出た時にFM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」に4週間出て頂いたのでそれ以来、JIROさんは前作アルバム以来、久々でした。
これはもう彼らの人柄としか言いようがないでしょうけど、3年空いても2年空いても変わらない。変わりましたね、という印象がない。インタビューや取材で会った誰もが口をそろえて「いい人たちですね」というのはデビュー以来でしょう。
デビュー30年経っても変わらない。意識してそうしようという次元じゃない。そういう空気はTHE ALFEEと共通すると言っていいでしょうね。というかこれだけ長い間変わらないのはその二組しかいないと断言できそうです。
片や50周年ですけど、GLAYもきっとそうなるんでしょう。アルバム「BACK TOP THE POPS」は読んで字のごとし。「POPS」に回帰する。アルバムの中には出ビュー当時からあったと思わせる曲や世に出なかったと思われる曲もあります。
TAKUROさんは、なぜそうなったかを簡潔に的確に話してくれました。自分たちの作品だけでなく、この30年の音楽状況、時代の流れなども踏まえながらあんなに論理的に音楽を語れる人は少ないでしょうね。
リーダーとしてバンドをどうかじ取りするかという冷静さと友人としてのメンバー想い、そしてソングライターとしての創作意欲と作品論。色んな面での魅力に溢れた人物。全体像は年々大きくなっている様で驚かされることばかりです。
番組は10月9日と16日、後半の二週は来週の収録です。というわけでアルバムのリード曲「さよならはやさしく」を。今だから書けたバラードと言っていいでしょうね。TAKUROさんもそういう話をしてくれました。じゃ、お休みなさい。