バイリンガルという言葉が流行ったのはいつ頃でしたっけ。帰国子女が増えて、英語でも日本語で問題ないという人たちをそう呼んだわけですけど、今はどうなんでしょうね。その頃よりも英語の普及度は広がっているんでしょうし、そんな風に特別扱いしなくても良いくらいに当たり前になっているのかもしれません。
というようなことを、新譜を色々聞いていて思ったりしたわけです。「毎日新聞」の「今月の三枚」というコラムは、そういう話を書いたわけですけど。元Def TechのSHEN、GLORY HILL、Monkey Majikという三バンドについてでした。
Def Techはインデイーズでありながら500万枚を売ったというユニットですね。ジャワイアンレゲエという新語を流行らせました。ハワイとジャパン、そしてジャマイカのリズムレゲエ。SHENは、その一人です。去年、もう一人のMicroは一足先にソロになってます。
で、彼のアルバム「SORAILO」も大半が英語なわけです。時折日本語です。GLORY HILLというバンドは、平均年令22.才という若者たち。メロコアというらしいですけど、メロデイアスなパンクロック。スピード感一杯です。ライブ会場では、噂のバンドです。
彼らも日本人なんですが、アルバムの大半が英語曲。活動休止を発表したELLEGARDENというバンドがいますけど、あのタイプかな。で、もう一組が、MONKEY MAJIK。すでにアルバムは今回の「TIME」が5枚目。カナダ人兄弟が中心で、やはり英語曲が半分はあります。
今のロックファンは、そんなに気にしないんでしょうね。英語のスピード感が気持ちよいのかもしれません。歌詞も英語の方が、難しいことを言えるんでしょうか。日本語ではなかなか言いにくいようなシリアスな詞を英語で歌っているというのは三組ともに共通してますね。
というようなことを考えていて、やっぱり時代は変わった、と思った次第でありますよ。70年代にははっぴいえんどの大瀧詠一さんと内田裕也さんが「英語日本語論争」というのを展開したくらいですしね。つまり、ロックは英語で歌うべきか日本語なのか、という議論でした。
最初に論争があったのは、僕が下っ端最年少編集者だった「新宿プレイマップ」でした。あの座談会の原稿をまとめましたからね。今年になって、裕也さんがプロデユースしていたフラワートラベリンバンドが活動を再開しました。フラワーの石間秀機さんに、その頃の話を聞いたら「俺はとっちでもいいじゃんと思ってた」と言ってましたけど。
考えてみればどっちでも良いんですよね。歌いたい方で歌えば良いわけですから。そうはゆかないくらいにみんなが頑なになっていたのが70年代なんですよ。と、話がシリアスになりましたね。こだわりなく歌えて、聞ける今の方が自由で良いと思ったりするわけです。
何の話を書こうと思ったんだっけ、と、ここまで書いて言うな(笑)。外人ミュージシャンも多いですしね。氷室さんのツアーでも、ドラマーのチャーリーは、普通に英語で話していて、ミュージシャンも自然に相づち打ったりしてますからね。
でも、英語に限らず言葉は使ってないとどんどん衰えますよ、って当たり前の話で終わってしまいました(笑)。時間ですよ。今週はMONKEY MAJIKのインタビューもあります。彼らの「空はまるで」という曲を。あ、彼らも仙台在住なんですよ、ってやっとつながった(笑)。じゃ、お休みなさい。