場所は新宿高野前です。そろそろ最終電車かなという時間で、かなり急いで歩いていたんですが、やや左前方に見えたカップルが、急に大接近して、キッスしたんですねえ。はずみみたいなもんでしょうけど、しっかりと視界に入ってしまったわけです。
不思議ですよねえ。僕は近眼ですし、急いでいるわけで、しかも若干アルコールも入っているわけで、注意力も怪しくなっているはずなのに、二人の唇がしっかりとくっつく瞬間が目に入ってしまったわけです。接合、という感じかな。
で、音がしたんですよ。キッスの音って、唇が重なり合う瞬間ではなくて、離れる瞬間に音がするんですね。ピチョっというのかな。かわいらしい音が飛び込んできたわけです。すれ違い様ですから、ほんとに一瞬のタイミングでした。
すれ違う時に、チラッと横目で見たんですが、決して美男美女という感じじゃなかったですけど、その瞬間のショットはなかなか良かったです。何年か前にキスしている恋人達ばっかり写した写真集がありましたけど、そんな感じでした。
でも、と思うんですよ。何であんな微妙な音が耳に入ったんだろうって。僕は軽い難聴ですし、体温計の時間を知らせる音とか、ポケットの携帯電話の着信音も聞こえない時があるんですが、その時は、しっかり聞こえたんですね。
二人の唇が重なり合う瞬間が目に入ったせいで、どっかの神経が研ぎすまされたのかな。それとも単なる好色オヤジになってたということかな。でも、なかなな良い響きでしたよ。夜の新宿の雑踏の中ですし、妙に若者じゃなかったですし、不倫風でもなかったな。
で、ふーんとか思いながら、電車に乗ったら、隣のつり革に捕まっている男性の時計が目に入ったんですよ。何だか高級な時計をしてるなあ、と思って、腕の袖口を見たら、時計と同じブランドの半コートじゃないですか。あれ、高そうだったなあ。
ポマードでなでつけていて、横顔にはかなりのシミもあって、若者じゃなかったですけど、って細かいね(笑)。サラリーマンじゃないな、あの雰囲気は。i-podを耳にして何か聞いてましたけど。そりゃ聞くよね(笑)。何の音楽を聞いていたんだろうなあ。音楽を聞くタイプには見えなかったんですよ。
つり革に捕まりながら、軽い酔い心地を味わいながら、乗り換え駅でホームに降りた時に、何だか、ぬるっとしたものを踏んでしまったんですよ。見たら、ヨッパライの吐瀉物でありました。何だか、すごいな、という感じでした。キスとブランドとゲロ。わずか30分の間にそれだけあったんですからね。東京の夜だなあと妙に感心して、靴をこすりつけて落としましたけど。
でも、みんな他人事な感じでしたけどね。街中であんな風にキスすることももうないだろうし、あんなブランドものも身につけないしホームで吐いたりするような酔い方もしないでしょう。そう思ったら、何だかみんな愛おしく見えてきたりしました。春なんですよねえ。
というわけで、キッスの音が余韻です。でも、何であんな風にはっきりと聞こえたんだろう。まあ、小言だけ耳に入るジジイよりもマシでしょうけどね(笑)。そうでもないか、エロジジイ度が上がっているだけか(笑)。
曲ですよ。またGLAYですね。街中でこれだけの回数、キスするのは不可能でしょうね。「100万回のキッス」を。昨日は鼻が詰まって眠れませんでした。100万回のくしゃみが出そうです。色っぽくないよなあ(笑)。じゃ、お休みなさい。