そうなんですよ。友人から譲り受けました。これは大事件ですよ。実を言うと、初エレキなんです。まだアンプも何もなくて、本体だけなんですけど、抱いたりさわったり、眺めたり。何とも新鮮であります。いやあ、こんなに存在感のある楽器だとは思わなかったですよ、って中学生みたいですけど(笑)。
若い頃、生ギターは持っていたんですけど、エレキは敷居が高かったんですよ。こういう仕事をするようになってからは、余計にそういう感じでした。何だろう、聖域というと変ですけど、人の仕事の道具に下手に手を触れてはいけない、みたいな感じでしょうか。周りはもうプロばっかりでしたし、見ているだけ聞いているだけで十分という面もあった気がします。
いやあ、どうなるでしょうね。飾っておくだけになるかもしれませんけど、部屋の空気が変わった気がしますよ。これでアンプから音を出したりすると全然違うんでしょうね。いつになるか分かりませんが(笑)。
でも、クリスマスにエレキを買ってもらったという10代の子は多いんでしょうね。僕らが10代の頃は、とうてい手が出る代物じゃなかったですから。高校の時にバンドが一つだけありましたけど、みんなボンボンでしたよ(笑)。僕らは箒で真似だけでした。あ、今日、鏡の前で持つ格好はしてみましたが、当然のことながら似合いません(笑)。
何であんなに不格好なんだろうな。何でもそうですけど、様になるというのはやっぱり大変なことなんですよね。でも、重いなあ。ミュージシャンはあんなに重いものを持ってステージに立っているんだね、と素朴に感動したりしてます。ほんとに今更でお恥ずかしいですけど(笑)。
やろうとしなかった理由がもう一つあるんですよ。自分でやってたりして、それが物差しになってしまうというのがはばかられたというのかな。元ミュージシャンという評論家や編集者は結構いますけど、そういう人の判断基準が”うまいか下手か”で、もっと言うとそこに”自分より”という前提がついたりしてるんですね。それが好きじゃなかったというはありました。
出来ない、知らない、さわったこともない。でも、格好いいと思えるかどうか。だって、世の中にはそういう人の方が多いんだから、と思っていたのは事実です。でも、もう、そういうことも何だかどうでもいいや、という気がしているのは年のせいでしょうか(笑)。
2006年の締めくくりらしい良いクリスマスになりました。そんなわけで今日最後の曲です。先日見たクロマニヨンズにこんな曲がありました。「エレキギター」。”エレキギター、かっこいいな”と叫んでいるだけに近い曲ですけど、気分は分かります。じゃ、お休みなさい。抱いて寝ようかな(笑)。