猫は涙を流すのかな。馬や象は流すと言いますよね。怪我をして薬殺される競走馬が涙ぐんでいたとか、老衰で姿を消す象が涙を浮かべていたという話は聞いたことがありますけど、猫はどうなんでしょうか。
美也子が時々、そういう状態になるんですよね。今までは、目にゴミとか細菌でも入ったとか、誰かに引っかかれたんだろうとか思っていたんですが、ひょっとしてあれはほんとうに涙なのかなと思ったりした次第なんですよ。
前にも書いたんですけど、彼女は今年で16年かな。人間の年にするともう90才くらいでしょう。秋口までは時々、トミーと一緒に外に出ると言って、よたよた散歩をしていたんですが、寒くなってからはもう、食事とトイレ以外は、ほとんど横になったままです。
でも、よくしょっちゅう吐くんですよね。今、彼女は、凹状になった円形の一人用、じゃなくて一匹用のソファーみたいな座布団に寝て居るんですが、そこに吐いてしまうんですよ。自分で気持ち悪いのか、朝になるとそこから出て床に居心地悪そうにしてます。
今日、彼女に片方の牙、というか、上の長い歯がなくなってることに気づきました。抜けてしまったんでしょうね。あれは牙というのかな。やっぱり。犬歯という言葉があるのに猫歯というのがないのはなぜだろう、というのは余計ですが(笑)。
年のせいで肝心な歯が抜けてしまったのかな。それで吐いたりするのかなと思ったんですね。歯がなくなっていることが気づかれたと思ったんでしょう、その後、しばらく口を開けるのを嫌がってました。でも、お腹は空くんでしょう、結構食欲はあるみたいで、それなりの量を食べるんですけど、吐いてしまう。そういう時に悲しそうにこっちを見てるんですよ。
今年の夏前は、夏を越せるんだろうかと書いていた気がしますけど、今の美也子を見ていると、冬は大丈夫かなと思ったりします。ただ、「猫はもうろくしてからが長い」と言った人がいましたけど、どうなんでしょうか。彼女も時々、窓際に置いてあるその一匹用ソファから、突然、僕らが使っているテーブルにいきなり飛び移ったりする時もあるんですよ。あれは、一種の奇行なんだろうか。元気なんだか弱って居るんだか分からなくなることもあります。
猫の老衰。犬は涙を流したりするんだろうか。今、シニア用の缶詰を食べてますけど、朝になると、きっとその辺に吐いてしまってるんですよ。哀しそうに自分が吐いた後を見ていたりします。というわけで、今日最後の曲です。何だろう、「涙がキラリ」。スピッツかな。じゃお休みなさい。