ジミーと言うんですよね。昨日、”ジミーの話、楽しみにしてます”というコメントがあったんで、ウチのデブ猫ジミーのことかなと思ったら違いましたね(笑)。そう、ジェームス・デイーンの愛称はジミー・デイーンだったんですよね。亡くなった時に、追悼曲が出たんですが、「グッバイ・ジミー・グッバイ」というタイトルでした。
ジェームス・デイーンですよ。知らない年代の人も多いでしょうね。永遠の青春スター。今でもテレビの青春ドラマを見ていて、あ、ジェームスデイーンだ、と思うことが結構あります。アメリカ映画でも多いですよ。残念ながら名前は思い出せませんが、ホラホラ、あの人、という類いです。ま、年ですから仕方ないですけどね(笑)。
1955年9月30日、カリフォルニアのハイウエイのガードレールにポルシェに乗ったまま激突、24才で短い生涯を終えてしまいました。24才!早いよなあ。というより、お前が生きすぎだろ、と自分に突っ込みを入れたくなりますけど(笑)。
残された映画は「エデンの東」「理由なき反抗」「ジャイアンツ」の3本のみ。「エデンの東」が日本で公開された時にはすでに彼はこの世にいなかったんですよ。その頃は音楽にしろ映画にしろ、そういう時差があったんですよね。同時には流れない。だからこそアメリカ映画が遠い憧れでもあったんでしょうけど。
僕が一番好きだったのは「理由なき反抗」でしたね。もう何年も見てないですけど、何度見ても泣いてしまうという映画でした。50年代の良きアメリカの亀裂と言いましょうか。転校を重ねて友人が出来ない高校生の反抗と友情。未だにテーマは色あせてません。
お酒を飲んで、道にはいつくばって猿の人形を眺めるオープニングのシーン、自分の拳で警察署の壁を殴るシーン。そして、同じように家庭に問題があって、いじめられている少年を救いに行ったプラネタリウムで警察官に包囲されるラストシーン。鮮明に覚えてますね。
鮮明に、は誇張じゃないですよ。最後に彼が警官隊に叫ぶ「撃つなと言ったのに」という台詞。そして、撃ち殺された友人の靴下が左右違っているのを見て、泣き笑いするシーン。鮮やかに思い出せます。あの映画を超える青春映画はないかなあと思います。
親と子。50年代アメリカに起きた世代の断絶。「エデンの東」も、そういう映画でした。舞台は第一次世界大戦でしたけど、テーマはそれですね。モラリステイックな家庭観と、そこからはみ出してしまった青春。あの2本は今の若者にも見て欲しいなあ。
「ジャイアンツ」はちょっと違いましたね。テキサスの石油成金の興亡。でも、野良犬のような若者の成り上がりドラマという点では、「理由なき反抗」や「エデンの東」と共通するでしょう。その3本だけで死んでしまったというのも、劇的ですよね。
日本でも歌になってますよね。甲斐バンドの「ヒーロー」もそうですし矢沢永吉の「サブウエイ特急」にも出てきます。鮮烈な青春のシンボルでしょう。尾崎が死んだ時も、ジェームスデインーンを連想しました。
アメリカの50年代。ちょうどロックンロールが誕生したのと同じ時なんですよ。エルビスの初期の映画は明らかに彼の真似をしている感じがありました。台詞回しとか、目つきとかね。そういう時代だったんだと思います。「エデンの東」。主題歌は日本のヒットパレードでも一位になりました。20代の頃は、あの曲が流れてきただけで泣きそうになったもんです。泣き虫なんですねえ(笑)。
でも、50年前の映画ですよ!今から50年後に、こんな風に語られる映画はあるんでしょうか。そういう意味でも20世紀というのは良い時代だったなあと思います。というわけで、今日最後の曲は、これですね。インストです。ビクターヤングオーケストラで「エデンの東」です。
あ、今日の放送、どうだったんだろう。氷室さんのコメント、BAYFMと違ってましたね。その辺のこだわりは彼らしいと思いました。じゃ、お休みなさい。