なぜなのか自分でもよくわからないんですけど、途中から尾崎さんのことを思いながら見てました。昨日行われた川崎鷹也さんの初めての武道館。完売でした。1995年5月生まれ。先日31歳になったばかり。でも、二児のお父さんでもあります。
栃木県の高校を出て状況、音楽学校に行きながら勉強して2017年からライブ活動を始めて10年目。2018年にインデイーズでデビュー、2020年に「魔法の絨毯」がSNSで評判になって一躍メジャーな存在として脚光を浴びてるようになりました。
NACK5の番組に初めて出て頂いたのが2021年。それからほぼリリースごとに話を聞いてます。素直な性格がそのまま出ている丁寧で的確な話はラジオ向きだなあと思ってたのですが、ライブではもっとそれがダイレクトに伝わります。
ということはこれまでのライブで確かめてましたけど、初武道館ですからね。どんなライブになるんだろうと思いながら足を運んだのですが、「初」とは思えなかったんです。落ち着いている、浮ついたところとか気持ちが空回りしてるところが全く感じられなかった。
地に足がついている。自分が何をどうやって伝えるかを把握している。それを伝える術を心得ている。バンドはついてましたけど、ほぼ全編、ギターを持ったままで気持ちよさそうなフェイクを入れながら歌ってゆく。
肌身離さずいつもギターを持っているという代表的な存在が坂崎幸之助さんでしょうけど、ソロですし、歌いっぱなしですからね。曲に合わせて子供のころの写真を流したりという等身大。まぎれもない「弾き語りシンガーソングライター」でした。
で、何で尾崎さんを思い出したかというと「声」でしょうね。「歌」の説得力。もちろん声も違いますし、歌っている内容は180度違う。でも、だからそう思ったんでしょう。川崎さんの歌はほぼ自分の体験。特にラブソングはそう。
高校の時の憧れの先輩だった今の奥様に向けた気持ちを書いてる。そういう意味では「愛情」の中身がともなってる。それがステージに出てるような気がしたんです。尾崎さんはいきなり「青春のカリスマ」に祭り上げられてそれとの葛藤の人生でしたけど、ラブソングは本当に優しい。
最後のアルバム「誕生」も奥様と息子に向けられてました。でも、「愛情の中身」みたいなものを手にしないままああいう結末を迎えざるを得なかった。対極的な存在。ふっと、彼もこういうことを歌いたかったんじゃないかなあ、と思ってりしてました。
ヒット曲が沢山あるのでも新しい何かや派手な話題性があるわけじゃない。でも、「川崎鷹也」という「人間の中身」が伝わってくる。ダンス系全盛の時代にこういうライブで初武道館をソールドアウトにする。いろんな音楽がちゃんと届いてるという証のようでした。
というわけで曲ですね。「またね、ヒーロー」という曲を。「頑張れ頑張れ」という「無責任なヒーロー」を歌った曲。MCにも説得力がありました。じゃ、おやすみなさい。