という映画が公開されてます。というか、公開が3月27日でしたから、そろそろ上映期間も終わりですね。遅ればせながら昨日、吉祥寺の「アップリンク」という映画館で観ました。面白かったですねえ。予想をはるかに凌いでました。
どんな映画かというとパンクロックを題材にした青春映画。地引雄一さんというカメラマンの書いた「ストリート・キングダム~東京ロッカーズと80'sインデイーズシーン」という本が下地になってる。70年代の終わりから80年代の初めにかけて東京のパンクロックの動きが書かれてます。
地引さんは、そういうシーンを撮り続けてきた人。もう70代後半です。僕もお名前は知ってましたけど、土俵が違うと思っていたんで接点はありませんでした。彼がその頃に撮った実際の写真も使われながらドラマが進んでゆく。実話と再現ドラマが重なり合う半ばドキュメンタリーのような音楽映画です。
舞台が新宿ロフトだったりスターリンとかリザード、フリクションなど実在のバンドを思わせるバンドが登場する。バンドも役者さんがやってるんですが、使われているのは実際の音源。主人公がカメラマンで地引さんご自身。映画の中で当時の解説もしてくれます。
スターリンというのは客席に豚の臓物を投げ入れたり全裸になったり過激なことで知られていたバンド。彼らのライブの写真と役者さんが演じるボーカルのミチロウさんとが重なる。実在の彼らがいかに魅力的な人物だったかを主人公のカメラマンが語ってくれる。
そういう過激なシーンに息づいていた若者たちの反抗心、夢や幻滅や葛藤。売れることの意味とか。大人になること。メジャーとの軋轢の中でカメラマンだった彼がなぜインデイーズのレコード会社を発足させるのか。そこに至る過程がドラマとして進行してゆく。
舞台は78年から83年頃までですが、扱われているのは今もバンドをやったりロックの好きな若者たちが抱えているものと何ら変らない。その中で「ちゃんと生きること」がメッセージになっている。妙にエキセントリックだったり感傷的だったりしてない。
それはカメラマンという第三者の目を通しているからで、もともとカメラマンじゃなかった自分がなぜパンクに惹かれていくかという自問の映画にもなっている。監督が田口トモロヲさんで脚本が宮藤官九郎さん。人間関係の描き方やドラマの展開の快調なテンポ、さすがでした。
音楽や選曲が現代音楽の大友良英さん。「あまちゃん」の音楽で有名になった人。知らない曲ばかりでしたけどパンクが好きだったんだなという実感が伝わります。でも、独りよがりにならないバランスがある。テレビでは絶対に扱えないテーマの青春ロック映画、良質のエンターテインメントでした。
実は、3月の終わりに「ストリート・キングダム、見ましたか?」という一行だけのメールが某スーパーバンドのギタリストからいきなり飛び込んできたんです。何年ぶりという感じですよ。僕はハワイにいた時で帰ってからは拓郎さん、浜田さんでバタバタ。そのままになってたのですが、何とか間に合いました。
そのバンドとパンクは多少結び付かなかったのですが、見て納得しました。連休の吉祥寺。なかなかの賑わいでしたけど、「吉祥寺音楽祭」というのも街中でやってました。アップリンクは吉城寺らしい文化的な映画館。一日一回の上映で6割は埋まってましたからね。もう少しの間は上映されそうです。
というわけで曲です。カメラマンの地引雄一さんを演じていたのが銀杏BOYSの峯田和伸さん。ドラマでも活躍中。いい味を出してました。彼が若葉竜也さんが歌う「宣戦布告」。リザードというバンドの曲のカバーです。じゃ、おやすみなさい。