FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の4月後半の特集です。76年4月21日に発売になったRCサクセション、3枚目のアルバム「シングルマン」50周年デラックス盤二枚組の紹介。ゲストは当時のことをよく知る森川欣信さん。
音楽制作会社、オフィスオーガスタの設立者で現最高顧問、RCがキテイレコードに所属していた時の制作担当。そして連野城太郎というペンネームで「GOTTA!忌野清志郎」という本もお書きになっている。
RCサクセションは1970年にデビュー、アルバムを二枚出してその後表に出てこない時期が続いた。同じ事務所だった陽水さんの独立問題に巻き込まれてレコードを出すどころか活動できなくなった。下世話に言えば「干された」状態だった。
「シングルマン」は、75年に作られて一年後の76年にようやく陽の目をみたものの全く売れずすぐに廃盤。79年になって評論家の吉見佑子さんが音頭を取った「再発実行委員会」がレコード会社にかけあって改めて発売されたという曰くつきのアルバム。
森川さんがお書きになった「GOTTA!忌野清志郎」は、清志郎さんのインタビューとアマチャア時代からご覧になっている森川さん自身の回想でまとめられているのですが、不遇時代のことがかなり赤裸々に綴られてるんです。
本の中に書かれていることを交えながら「シングルマン」の全曲を聴いてゆくという二週間。昨日、収録したのですが、実に面白かったです。発見の連続。そういう「不遇」話に終始しがちなアルバムが実はそれだけじゃなかった。
むしろ、「不遇」話は外側のことでアルバム自体は、清志郎さんとRCを語るのに最も重要な要素が詰め込まれている。RCはアコーステイックトリオとしてデビューしてCHABOさんが加わった5人組になって79年に劇的な復活を遂げるわけです。
その間にポツンとあるのが「シングルマン」。業界から「干されて」思うような活動が出来ない中でようやく作れらアルバムでやりたいことを試している。フォークでもロックでもない。70年代前半とも80年代とも違う実験が詰め込まれている。
それもお金がないから知り合いのミュージシャンしか頼めない。清志郎さん自身でピアノやハモンドオルガンを弾いて歌ったりしてる。フォービートのジャズやドウワップみたいな曲、もちろんロックンロールもある。
アナログ二枚組でDISC2には未発表曲やシングル曲、76年4月25日のテレビ神奈川の「ヤングインパルス」のライブも入っている。番組では「シングルマン」の全曲とDISC2のシングルやライブの曲も紹介してます。
ロック史に残る名盤の中にはヒットしたものと全く違う、何をやろうとしたと思わせられる実験的なものも少なくないです。代表的なのがビーチボーイズの「ペットサウンズ」でしょうけど、それに匹敵するアルバムなんだと思います。
あの不朽の名曲「スローバラード」のイントロのピアノがどうやって生まれたのか、森川さんが明かして下さいました。必聴です。でも、76年4月21日発売ですからね。浜田さんの「生まれたところを遠く離れて」と同じ日。
何とも時代、そして運命的な何かを感じさせる。前半が「生まれたところを遠く離れて」の特集でしたからね。実りある4月になりました。というわけでRCサクセション「スローバラード」、二週間で6回かかります(笑)。じゃ、お休みなさい。