ユーミンの40枚目のオリジナルアルバムが「Wormhole・Yumi Arai」。昨日発売になりました。そして一昨日の17日からアルバムを携えたツアーが始まりました。で、僕らが見たのは土曜日、初日の会場、府中の森芸術劇場で行われたゲネプロ。
アルバム発売の前日からツアーがスタートする。それもアルバムに掛ける意気込みの表れと言っていいでしょうね。彼女の作品だけでなく、日本のポップシンガー、シンガーソングライターにとって初の試みで作り上げたアルバムであります。
発売前からどんなアルバムなんだろうと思ってました。テーマが「AIとの共生」なんですね。それもボカロの人達がやっているように曲を書いてコンピューターに歌わせるという単純な試みじゃない。AIを介在させた「自分探しの旅」なんです。
「Wormhole」というのは異なる時空や多次元をつなぐトンネル。そのホールをくぐって現実と想像、過去と未来、異なる自分自身を見つけてゆくという挑戦的なアルバムなんですね。タイトルに「Yumi Arai」と入ってるのがポイントだと思いました。
簡単に言うと、もし、「荒井由実」が肉体を離れてどこかで生きているとしたら会えるのではないだろうか。「松任谷由実」が「荒井由実」を探す旅という設定。今のユーミンが歌ったものをAIを通してこれまでのユーミンと合体させる。
そういうレコーデイングシステムがあるんだそうです。荒井由実時代から今までの数百というボーカルトラックを抽出して再構成・再合成して第三の松任谷由実を作るというんですね。曲は紛れもないユーミンなんだけど、曲によって歌が違う。
荒井由実時代の若々しい声が混じっていたりする。懐かしいやら新しいやら、でもやっぱりユーミン。聴いたことのないユーミン。というアルバムのツアーですからね。どんなツアーになるんだろうと興味津々だったんです。
つまり「私が私に会いに行く夢」。ゲネプロというのは本番と同じように上演する最終リハーサルですね。客席にはファンの人やメデイアの人もいる。独特の緊張感があります。で、そこには正真正銘「生身のユーミン」がいました。
ステージで彼女が言ってましたけど「第三のユーミン」を「ライブで表現するには今のテクノロジーは間に合わない、だから今回はAIはなし」。AIを使った部分も生身のユーミンが歌う。感動的でしたよ。
だって、AIと作ったアルバムを生身のユーミンが歌うわけですからね。アルバムの中の色んなユーミンを一人で歌う。まさに挑戦的な試み。今までになかった生身のユーミンを感じさせる。これを72本やるんだ、と思ったら涙が出そうになりました。
だって72歳72本ですよ。総立ちのスタンデイングオベーションはともかくツアーの無事を祈りますという気持ちの表れでしょう。「時間の中で変わらないということは変わり続けると言う事」「私はユーミンであり続けます」。力強かったです。
先週からの大御所ツアー。エーちゃん、ハマショー、ユーミン。ライブとは何かを知り尽くしたLEGENDたちよ永遠に。そんな締めくくりになりました。というわけで、ユーミンの新作から「天までとどけ」を。じゃ、お休みなさい。