19日、20日と二日間、有楽町の東京国際フォーラムで行われました。一日目が「風編」、二日目が「街編」という二週間。それぞれの出演者が14組。各2曲づつという構成。バラエテイに富んでいて面白かったです。
バラエテイには飛んでるんだけど、松本さんと彼が書いた詞に対しての敬愛の念がこもっている。聴き手として受けた感動や思い出と歌い手として参加していることの両方の実感がこもっている。トリビュートコンサートならではでした。
4年前にも武道館で「風街オデッセイ」が行われました。あの時は「オデッセイ」ですから「時間の旅」、オリジナルを歌った人達とかはっぴいえんどに始まったロックの流れを意識した内容に思えましたけど、今回は「ぽえていっく」です。
より「曲」に絞られていた。彼の「詞」にこだわったコンサートになってました。前回の「時代」や「あの頃」「あの曲を歌ったあの人」というより「この曲」「あの歌」。「歌い継ぐ」ことを伝えるコンサートに思えました。
ともかくこんなに色んな詞を書いていたんだというすごみ。一日目には井上芳雄さん、鈴木瑛美子さんとか三浦宏規さん、宮沢エマさん、二日目には清水美依紗さん、綾瀬はるかさんとかミュージカルで名の知れた人も多かったです。
そういう演劇関係の人は独特の歌唱力がありますからね。誰が聴いても歌が伝わる。その一方で一日目の大友康平さん、曽我部恵一さん、槇原敬之さん、何と水谷豊さん、近藤真彦さん、その人にか歌えない個性と存在感がありました。
二日目もそう。さかいゆうさん、佐藤竹善さん、田島貴男さん、ジャズ系、AOR系、ソウル系の共演、そこに氷川きよしさんまで加わる。松本さんの55周年のキャリアと共に生きてきた南佳孝さんと鈴木茂さん。現役感ありました。
残念だったのはさいたま芸術劇場が終ってから行ったのでトップバッターのクミコさんが聞けなかったことですね。昨日、FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の9月の特集「松本隆76歳・55周年」の最終週の収録をしたんです。
ゲストはクミコさん。僕は間に合わなかったですけど、トップバッターの感想から話が始まりました。松本さんの2000年代の活動はクミコさんなくしては語れませんからね。「聖子では歌ってもらえない」という大人の世界を濃密に描いてます。
2000年のアルバム「AURA」と2017年の「デラシネ」の曲が中心のインタビューになりました。「AURA」にはチンピラに刺されて死んだヤクザの情婦が主人公の曲までありますからね。しかも作曲が筒美京平さん。
二日間の「風街ぽえていっく」を見ていて一つだけ気になったのは聖子さんの曲が多かったことかな。聖子さん45周年、こんなに一人の歌手のヒット曲を書いた作詞家も多くない。女優さんやタレントさんへの影響力も含めてそうなるのも当然。
と思いつつ、これだけじゃないんですよね、という気持ちもありながら見てました。そういう意味ではシャンソンのような大人のストーリーが歌えるクミコさんの存在は大きいでしょう。松本隆トリビュートコンサートはまだ出来そうです。
というわけで、愛人のヤクザが刺されて死んでしまった身重の情婦の歌。そんなラブソングを描いた人は他に思い当たりません。ライブで歌われなかった歌にたどりつきました(笑)。クミコさんの「ちょうちょ」を。じゃ、お休みなさい。