5月22日、京都ロームシアターで第一回「MUSIC AWARDS JAPAN」の授賞式が行われました。音楽人5000名が選ぶという日本で初の試み。しかもカテゴリーが60以上ある。これだけ部門的に細分化された国際音楽賞も日本で初めてでしょう。
素晴らしかったです。まだどこか余韻の中にいる気がしているくらい経験したことのな特別な夜になりました。何が素晴らしかったか。沢山ありますよ。何よりも雰囲気が良かった。会場の外にレッドカーペットを敷くということ自体が規格外でした。
グラミー賞やメジャーリーグのオールスター戦の真似じゃないかという人もいるでしょうけど、京都には似合ってましたねえ。そもそもを言えば平安時代の貴族の催しにも赤い毛氈がつきものです。外国の真似という不自然さは皆無でした。
事前に関係者もドレスコードがあると聞いてましたからね。それもかなり厳しい。僕も初めてフォーマルなスーツというのを着ました。人生初の蝶ネクタイ(笑)。というようなことはおまけですけど、ほとんどの人がそうですからね。
そんなことはさておき、何よりも音楽の演出が素晴らしかった。オープニングの映像が京都とYMO。岡村靖幸さんやサカナクションの山口一郎さんも参加したYMOトリビュート。京都ならではの見事な映像。開会宣言が細野さんですからね。
パフォーマンスも藤井風さんやクリーピーナッツ、YOASOBI、Ms.Greenappleなと今のシーンを象徴するような人たちが受賞者として登場する。受賞はしてなかったけど、最終ノミネートされたアーテイストが次々と熱演を披露する。
YMOが入口になっていたことが分かるようなテクノ、ヒップホップ系の最先端の人達やダンスグループ、女性のラッパーの存在感があれだけ強い公式イベントも初めてでしょう。そういう人たちが海外に向けて発信していた。
ともすればドメステイックに流れるJ-POPとは違う同時代性に貫かれていた。海外の今の音楽ファンには刺さったでしょうね。その真剣度が清清しかった。受賞者も事前に知らされてなかったんでしょう。受賞したのに本人がいないこともありました。
そうう”出来レース”感が全く感じらなかった。そこに花を添えたのが細野さん、松本さん、矢沢さんでしょうね。司会が菅田将暉さんだったように、各賞のプレゼンターも俳優さんとか作家だった中でそういう大御所が登場したことが重しになってた。
今のシーンの最先端を伝えると同時に、ここに至る流れも継承している。感慨深かったです。新しい時代が始まるなあ、と思わせてくれました。日本の音楽業界が決定的な転機に差し掛かってることは誰の目にも明らかです。
それを変えようとしている。ともかくその場所を作って新しい動きを支えるという気概に満ちてました。若い出演者には名前しか知らなかった人たちもいましたけど、それでいいんだと思いました。僕らがついて行けるようじゃもう駄目なんです。
終演が11時近く。ホテルの近くのコンビニで夜食を買って部屋で食べたのですが、興奮して寝付けませんでした。戻って土曜日、NACK5の完パケ。力尽きました(笑)。昨日、大阪で沢田研二さんをみるつもりでしたが、眩暈がしてだめでした。
というようなことで貴重な体験をしました。時代は変わってます。曲ですね。最優秀アーテイスト賞を受賞したMrs.Greenappleが最後にストリングスと一緒に歌った「ダーリン」を。じゃ、お休みなさい。