FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の12月後半二週の特集。12月18日に発売になる森山良子さんのアルバム「Life Is Beautiful」のご紹介。良子さんご本人に全曲を語っていただきます。アルバムは全9曲。放送は二週なので曲はもう少し多く流れるので一週目、12月23日は彼女のクリスマスソングもお楽しみ頂きます。
で、新作アルバム「Life Is Beautiful」はジャズアルバム。良子さんはお父様が戦前から活躍する日本を代表するジャズトランぺッター、森山久さん、お母様はジャズシンガーの浅田陽子さん、生まれた時から周りにはジャズがあったという育ち方ですね。
でも、意外なことにこれまでジャズアルバムは一枚しかない。親しんできただけに中途半端なものは作りたくないということだったのかもしれません。「THE JAZZSINGER」というのがそのアルバムですが、ジャズのスタンダードのカバーなんですね。いつかオリジナルのジャズアルバムを作るのが夢だったと言ってました。
それを叶えたのが大江千里さん。2008年から拠点をニューヨークに移してジャズを学んで来て2012年にはピアニストとしてデビューもしてます。彼は「良子さんに自分のオリジナルのジャズを歌ってもらうのが夢だった」。一年半前にラジオで一緒になった時に千里さんが一念発起で持ちかけたという始まり。
レコーデイングは千里さんが住むニューヨーク。でも、そんなお祝いめいたものでもお遊びめいたものでもないんです。驚いたのは良子さんが千里さんの勧めに応じて「ジャズ留学」をしたということ。何と4回。それぞれ10日程度向こうに行ってボイスレッスンから始めたということでした。
千里さんは、ジャズの学校に行ってましたからね。そこで教えてる先生やプロのシンガーについて歌い方を一から直したんだそうです。良子さんはこれまで自分が親しんで歌ってきたジャズは「古い」と言われてどうしたらいいか分からなくなったという話もしてました。
作詞作曲は千里さん。演奏も千里さんのトリオ。もちろん全曲が一発録り。今のジャズのビートに良子さんの歌が生まれ変わったようです。彼女はデビュー57周年。年齢も僕と変わらない。キャリアや実績にこだわらず一からジャズを学んだ。一年半に4回。単身ニューヨークへ行って勉強する。そこまでやるのか、という本気度に感動しました。
12月の前半は小室さんのアルバムと谷川俊太郎さんを偲んでの3週。小室さんは80歳になって作った新作ですからね。常に今であろうとする。大ベテランと呼ばれる二人の弛まぬ努力や意欲。年を取るということへの覚悟みたいなものを見た気がしました。良子さんのオンエアは23日と30日です。
元気な大ベテラン、刺激になります。ということで良子さんの曲、アルバムのタイトル曲「Life Is Beautiful」を。じゃ、お休みなさい。