面白かったですねえ。パリ五輪の開会式。さすがに生で見ることは出来ずに録画でしたけど4時間見てしまいました。これまで見た開会式はどっかでダレたりもういいやと思うことが多かったですけど全く飽きなかったです。
発想が根本的に違ってましたね。何よりも「街」が主役だった。どこかに新しい立派な建物を作ってそこでやるとかじゃない。「会場」という概念が全く違った。事前にセーヌ川でやると聞いた時にどんな演出になるのか想像も出来なかったんです。
川で何をやるんだろうと思った。選手を船に乗せて川を下る。橋や川岸の建物や階段全部がステージになる。街全体を活用している。建物だけじゃなくて道路や公園もパフォーマンスの舞台になる。街全体がアートになってました。
パリは路上芸人の街、ストリートアートのメッカなんだなあと。交差点の上空を揺れている大道芸人たちも風景に溶け込んでました。レデイガガが階段で踊るフレンチカンカンも洒落てましたし橋を舞台にしたパリコレも決まってました。
粋でお洒落でユーモラス。ルーブル美術館の絵画の中の人物が開会式を見に行って留守にしてたりね。そういう街全体を生かしながらCGを組み合わせる。アナログとデジタルがミックスされて「アートの都」を作り出している。
聖火が気球というのもそうですよね。パリが華やかだった時代の象徴として語られる1900年の「パリ万博」のポスターとかには飛行船が出てました。22世紀の宇宙時代になってもそういうロマンは忘れない。
川と言えば触れておかないといけないのが、選手団が乗り込んでいた「舟」でしょう。大きな舟から小さな船まで。駆逐艦みたいな船もあればモーターボートみたいな小舟もある。どんなに少人数の国でも一艘の舟があてがわれる。
競技場の行進だとそういう少人数の国はどこか「おまけ」みたいな感じもありましたけど、そういうイメージじゃない。人数の多少に関わらず独立した国として認めている。あれこそが「多様化」じゃないでしょうか。
パリは第二回オリンピックの開催地。そういう歴史の原点。こんなに「金」の匂いのしないオリンピックの開会式を初めて見た気がしたんです。パリは第二回オリンピックの開催地。「理念」や「思想」が花開いていた。
「愛の都・パリ」。街を彩っていたピンクはLGBTのシンボルカラーですし。「自由」「平等」「博愛」というフランスの国旗の三色がオリンピックにマッチしていた。パフォーマンスが見世物ではなくて、そんな思想を裏付けるものになっていた。
炎の中の「イマジン」がその象徴でしょうけど、ヨーロッパだけじゃなく世界が戦火の中にあるということも意識されてましたし。スポーツの祭典が「人間讃歌」なんだということも伝わってきました。だって最後が「愛の讃歌」ですからね。
商魂うずまく魑魅魍魎のメダル競争という感じのしないオリンピック。見事な演出だと思いました。パリ、一回行ったことがあるだけですが、元気なうちにもう一度行ってみたい。フジロックに行けない寂しさは少し解消されました、かな(笑)。
パリ、涼しいんだなあと思いました。羨ましい。東京は世界で一番暑い首都なんでしょうか。外に出るのも怖いです。というわけで「愛の讃歌」。今年は生誕100年。越路吹雪さんで。じゃ、お休みなさい。