どういう並びだ、と思われるかもしれませんが。前半の二週は6月12日に出る吉田拓郎さんの「ANOTHER SIDE OF TAKURO 25」、後半の二週が先日発売になったROGUEの6枚組ボックス「ALL TIME SELECTION ROGUE 60」のご紹介です。
拓郎さんの「ANOTHER SIDE OF TAKURO 25」は彼自身が選曲した25曲にボーナストラックを加えた26曲入り二枚組。エレック、CBSソニー、フォーライフというレコード会社の曲から選んだものですね。自分で選んだというのがポイントです。
しかも、25曲の全曲について自分でライナーノーツを書いている。その曲に直接関わる話だったり、その曲の入ったアルバムの話だったり、当時の自分の状況だったり様々。でも、その曲が象徴していることが分かります。
「ANOTHER SIDE」ですからね。誰もが知っていたりファンの間では支持の高かったりという曲はあまり入ってない。アルバムの中でも目立たない曲が多い。でも、彼の中では意図やこだわりがある。ライナーを読んで聴くとなるほどと思えてくる。
これは僕らの責任というか、力不足というか、だらしなさでもあるんですが、拓郎さんの「音楽」についてちゃんと語れてこなかった。誰かがそういう試みをしてくれればいいのにな、と思わせてくれるアルバムです。
ROGUEの「ALL TIME SELECTION ROGUE60」はメンバーの還暦に合わせてバンド側が自ら選んだ60曲が入ってます。拓郎さんも彼らも「自分たちの選曲」という共通点がありますね。ライナーは僕が書いてます。
ROGUEは、BOOWY、BUCK-TICKと並ぶ群馬出身三大バンドの一つ。でも、活動期間がそんなに長くなかったこととソングライターが3人いるという多面性が一つのイメージに括れなかったということで一般的な人気は他の二組ほどじゃないです。
ヴォーカルの奥野さん、ギターの香川さん、ベースの西山さん、二人は氷室さんのバックとしても知られてます。90年に一旦解散して2013年に再結成してるんですが、普通のバンドの再結成とは意味が違う。
ボーカルの奥野さんが事故で下半身不随、車いす生活になってしまった。想像を絶するリハビリで歌えるようになった。YOU TUBEに投稿していた画像を彼らが好きだったMr.Childrenの桜井さんが見て広めたことで知られるようになった。
車いすのボーカリストのロックバンド。プロの世界ではほんとに稀有でしょう。インデイーズ時代の曲からそういう再結成後に出たアルバムからの曲も入っている。不屈のロックバンドの軌跡をたどれるドキュメンタリーのようなボックスです。
拓郎さんのアルバムは僕一人でライナーを紹介しながらやろうと思っていて、明日一週目の収録。ROGUEは、ギターの香川さんがゲストで話してくれます。異色のコンピレーションの紹介という一か月です。
というわけで、曲ですね。拓郎さんの「どうしてこんなに悲しいんだろう」。一曲目に選ばれてました。ロフトプラスワンのイベントもよろしくお願いします。話の材料になるような資料は持ってゆくつもりです。じゃ、お休みなさい。