土曜日と日曜日。僕が行ったのは土曜日。色んな意味で面白かったです。水野良樹さんと吉岡聖恵さんの二人体制になって初のアルバムの「○」も出ました。アルバムツアーも初めて。フィナーレの地元公演。今までにはなかった彼ららしさに溢れてました。
メンバーが一人少なくなったという縮小感は全くなかったですね。それよりも3人では出来なかったと思える場面が随所に織り込まれている。身軽になった。動きも表情も二人の会話や客席とのやりとりもより飾らないものになってました。
編成もそうですね。今まではエレキギターとアコーステイックギターでしたけど、曲によってはピアノを弾いたりアコギになったり。その分、バンドの演奏が前面に出てる。本間昭光さんのキーボードとドラムの玉田豊夢さんの存在感が際立ってました。
一番違ったのは表情が豊かになったことじゃないでしょうか。男性二人のキャラクターの違い、みたいな意識がなくなったんでしょうね。水野さんも吉岡さんも素のまんま歌ったり喋ったりしてる。もともと達者だった客席とのやりとりも絶妙でした。
コンサートタイトルは「あなたと!わたしと!みんなで!歌いまSHOW!!」という変哲がないと言えば何の変哲もない素朴なもの。一つ間違えば面白みのない子供むけのテレビ番組みたいになりかなねいにも関わらず、そうならない。
当たり前の強さというんでしょうね。気取ったり捻ったり、特別な意味を込めたりしてない。彼らの音楽の原点そのまんま。それが端的に出たのがアンコールの一曲目「風が吹いている」を客席と一緒に歌ったことでしょう。
シングルなのに9分かな。異例の長さで途中で曲調もキーも変わる。最後には一気の歌い上げもある。あれを客席とアカペラで合唱しようと言うんですから驚きました。しかも客席が「はい、分かりました」みたいな反応だったんです。
以前の曲も新曲も二人の歌になってました。ゲストに上白石萌音さんの扱いも洒落てました。最後に吉岡さんと一緒に歌った「帰りたくなったよ」も劇的でした。秋には弾き語りで武道館、路上ツアーをやるという発表もありました。
もともとゆずに影響されて路上を始めたわけですからね。男性二人の路上だった最初の始まりとは違う男女デユオの路上。ゆずとは違うライブになることは間違いないでしょう。ユーモアと人柄。二人になって良かったんじゃないかなと思えました。
というわけで、「風が吹いている」。僕も好きな曲でした。じゃ、お休みなさい。