いよいよ迫ってきました。5月23日に代官山蔦屋で行われるトークイベント。お相手が重松清さん。「泣ける」小説を書かせた右に出る人がいない直木賞作家。ホーム社から出た「80年代音楽ノート」の推薦コメントをくださいました。
もう10年以上前に小学館から出た「小説吉田拓郎・いつも見ていた広島~ダウンタウンズ物語」を書いた時に解説分を書いて頂けたんですね。今回、編集者から「推薦コメント」どなたにお願いしましょうか、と言われて彼の名前を出したんです。
駄目かなあと思いつつだったんですが、快諾して頂けて販売にも協力しますよ、と言って下さってこういう機会が訪れました。彼は1963年生れ。10代から20代にかけて青春が80年代だった。その頃に聞いていたのが僕が書いていた人たちだった。
名前をあげれば拓郎さん、浜田さん、矢沢さん、甲斐バンド、RCという人たち。その記事で僕の名前を知ってくれていた。初めてお会いしたのがNHK FMの矢沢さんの特番だったんです。僕はインタビューで彼は対談と別のコーナーでした。
入れ違いですからね。でも、そこで紹介された時に彼が「僕の本棚には田家秀樹コーナーがある」と言われたんです。驚きましたし感動しましたよ。僕も彼の本は何冊か読んでましたし、格が違いますからね。ほんとですか、と思ったんです。
根が疑り深いですからね(笑)。でも、そういうアーテイストが好きだったと聞いて納得したわけです。こういう仕事をしていて初めて、報われたと思った。音楽について書いていても「業界」の外には届かないのかなと思っていた時期でしたからね。
「タレント本」を書いている「御用ライター」みたいな扱われ方もしてましたし。ああいう人がそうじゃない読み方をしてくれていた。ものすごい自信になった。今もどんな原稿でも重松さんに笑われないようにという意識はあります。
彼の音楽に対して思い入れは、最初に就職した出版社をやめて作家になる前に音楽ライターだったことに表れてます。ほんの短い時間だったようですけどね。そこから小説に行ってしまった。それも当然でしょうけど親近感は湧きますね。
そういう人とトークイベントが出来る。彼が80年代にどんな音楽を聴いていたのか、「小説」と「音楽」にどういうつながりがあるのか。もし、音楽について書くとしたらどんなことが書きたいのか。お聞きしたいことが沢山ある。
多分、最初で最後の機会でしょう。配信もあります。ぜひ、立ち合って見届けてください。よろしくお願いします。というわけで曲です。何でしょうね。彼が80年代で一番好きだった曲。その時に訊いてみます(笑)。じゃ、お休みなさい。