FM NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー。12月13日に10枚目のオリジナルアルバムを発売するいきものがかり。2021年に水野良樹さんと吉岡聖恵さんの二人体制になってからの最初のアルバム「○」が発売になります。
インタビューするのは2020年のシングル「キラキラに光る」の時以来。丸3年ぶりですね。あの時は事務所独立の時でしたけど、その後に山下穂尊さんが抜けて二人になった。聖恵さんは出産も経験した。色んな節目を超えた新作ですね。
どんなアルバムなんだろうと思ってたんです。僕は「3人」という編成に惹かれていたところがありましたからね。女性一人、男性二人、全員が個性の違うソングライターという絶妙なバランスが他にはないと思っていたんです。
でも、新作「○」はそういう「どうなるんだろう」みたいな気遣いを一蹴しましたね。まだ発売前ですけど、これまでのアルバムの中で一番揺るぎなくて力強い。「越えてきた」という手ごたえを感じさせるアルバムです。
ここまで来たからこそ自分たちが歌うべきことを自覚している。歌いたいことを把握している。水野さんが40代。聖恵さんは来年早々40になる。青春の瑞々しさみたいなものはさすがに薄れてますが、もっと確かなバックボーンがある。
アルバムの解禁曲というのがシングル曲だけみたいなんで詳しいことは避けますが、水野さんの色が濃くなってる分、人称がはっきりしてる。伝えたいことが直接響く。聖恵さんが歌うことでワンクッションが出来るというのはこれまでと同じですね。
水野さんはこの間、かなりフットワーク軽く活動してましたからね。色んな人とセッションしたりコミュニケートすることで自分のやるべきことがクリアーになったんだろうなと思ったりもするのですが、そんな話を聞いてみようと思います。
「YELL」にしても「ありがとう」にしても性別や世代を超えた歌になってますが、その先、でしょうね。コロナや戦争という時代だからこそ、というデコボコみたいなものも織り込まれている。時代が「×」ばっかりだから「○」なんでしょう。
ジョンレノンがオノヨーコさんに初めて会った時に、ヨーコさんの個展で「YES」という文字が使われた作品に感動したことがきっかけだったという有名な話があります。「○」は、そういうニュアンスなんだろうな、と思いました。
というような話になればいいな、と思いつつ。曲ですね。一昨日、解禁になった曲「声」を。まっすぐで外連味のない応援歌。以前は歌えなかったでしょう。じゃ、お休みなさい。