昨日ですね。岡林信康さんのデビュー55周年ツアーの大阪公演。12月7日には東京公演があるのですが、前から大阪で見たかったのでお邪魔してきました。何で大阪で見たかったかといえば、もちろん「関西フォーク」という大きな流れがあったからですね。
当時、関東の学生がやっていたのはブラザース・フォアとかピーター・ポール&マリーとかアメリカのキャンパスで人気のフォークシンガーのカバー、というよりコピー。でも、関西の学生は違いました。世の中や政治に対しての抗議の声を上げていた。
その先陣を切ったのが岡林さん。最初にヒーローと言うか、ありていに言えばスターになったわけです。サブカルのスター。でも、当時の若者の志向全体がそっちを求めてましたから結果的にあの時代を象徴する人になってしまった。
今は自分のことを「神様」とギャグにしてますけど、その重圧や矛盾と闘うことで音楽人生が始まってしまった。その後はロックに行ったり演歌に行ったりエンヤトットに走ったり、かなりの紆余曲折を経ての55年なわけです。
東京のそれぞれの時代の東京のコンサートは見てきましたけど、関西で見たことがなかった。半ば好奇心もありつついつか大阪で見たいと思っていたんです。最近はライブハウスが多かったのに今回はホールですからね。
先だっての国際フォーラムで行われた「あの素晴らしい歌をもう一度」が良かったですからね。ワンマンのホールが見たいなと思っていたところでもありました。ブリーゼというのは新しいホールのようでしたけど、サンケイホールは老舗ですからね。
当時はフォークルもやったんじゃないかな。もちろん、その会場の面影はありませんけど、雰囲気には浸れます。関西のお客さんの雰囲気も楽しめました。やっぱり根強い聴き手がいるんでしょうね、曲のイントロでの拍手とか温かかったです。
ワンマンライブですからね。国際フォーラムの時は曲も少なかったんで弾き語りでしたけど、さすがに長丁場。曲も多い。一昨年の23年ぶりのアルバム「復活の朝」のレコーデイングにも加わっていたピアノとギターがサポートに入ってました。
岡林さんは滋賀県、大阪ではないですけど、ノリが関西なんでしょうね。冗句に対しての波長も客席と合ってる。55周年ですから、70年代の曲だけじゃなくてエンヤトット時代の曲もやるわけです。盆踊りみたいなハッピーなノリになってました。
客席は両サイドのゴンドラ席以外は、ほぼ満席のようでした。ほとんど宣伝とかしてませんからね。一緒に見に行ったFM802の重鎮の方がメジャーなアーテイストでもここは満員にならないことも多いのに、と感心してました。
70年代や80年代の歌でも今の政治や世界の状況に対してのメッセージになってる。そういうMCも巧みです。商業主義に抗いながらなぜここまで来れたかが感じ取れるコンサート。しみじみした枯れた味が出てました。
77才ですよ(笑)。どこがめでたいんや、と言ってましたけど、同感です(笑)。生きた伝説。まだ「化石」じゃありません(笑)。東京も行くことになりそうです。ジジイ・シンガーソングライターのおっかけジジイ(笑)。
で、今日は例によって西宮北口の接骨院。10月にも行ったばかりですけど、引っ越しの片付けて悲鳴を上げている腰を診てもらいました。阪急西宮北口は東京以外では一番長く通っている駅になってしまいました(笑)。
というわけで、曲ですね。五日前に親しい友人がなくなった、と言って歌いながら涙ぐんでしまった曲です。新作アルバム「復活の朝」から「冬の調べ」を。じゃ、お休みなさい。