FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の11月の特集です。前半はMr.Childrenの新作アルバム「miss you」の全曲感想。後半が「鈴木慶一・高橋幸宏を語る」の2週間。明日、11月15日発売のベストアルバムに紹介です。
幸宏さんは1952年生れ。今年の1月に70才の生涯を終えました。明日発売になる「THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI・EMI YEARS・1988~2013」は彼が88年から2013年まで在籍していたEMI時代のオリジナル作品のベストを集めた二枚組。
全36曲の選曲をしたのが鈴木慶一さん。二人でTHE BEATNIXSというユニットを組んでいた時期もありました。1951年生れ、同じ東京生まれ。ほぼ同世代。ずっと東京のシーンを牽引してきた二人でもあります。
バンドはそれぞれ違いましたからね。幸宏さんはサデイステイック・ミカバンドからYMO。慶一さんは、はちみつぱいからムーンライダーズ。でも作詞家として幸宏さんの曲に詞をつけているものはかなりあります。言葉という意味で分身のような存在と言っていいでしょう。
ソロ作品のベスト盤ですからミカバンドもYMOも出てきません。そういう意味では慶一さんの「追悼」の想いと彼の目から見た生身の姿が切り取られている。こんなにセンチメンタルで寂しがり屋で弱々しい面を持った人間だったと気づかせてくれる。
僕は数えるほどしか話を聞いたことがなくて特集を組むような資格はないに等しいですけど、色んな発見がありました。トップミュージシャンの栄光や名声とは裏腹な繊細な一面。シンガーソングライターだなあ、という発見ですね。
ドラムやキーボード、ギター、色んな楽器をこなすだけじゃなくて曲も詞も書ける。ファッションや映画などにも精通している。それは慶一さんも同じです。そういう関係だった人が選んだからこその二枚組。
歌詞カードに慶一さんのコメントが載ってるんですが、作家の芥川龍之介がなくなった時に作家・横光利一が詩人の北川冬彦にあてた手紙のこんな言葉が引用されてました。「参ってはいけませんよ。精神を見てはいけない、物を見なければ」。
含蓄のある言葉だなと。そういう引用自体が慶一さんらしい。そんなことも聞いていこうと思ってます。なくなった方の話はしたがらない人も多いですし、慶一さんも他ではそれらしいことも全く発言してないようです。
アルバムから8曲づつ16曲を選んでいただきました。曲順も番組用のオリジナル。もう一つのベスト盤のような流れになってます。どんな話が聞けるのか。失礼のないように進めたいと思ってます。
明日収録。オンエアは11月20日・27日の二週です。曲ですね。慶一さんが詞を書いたTHE BEATNIKSの曲「ちょっとツラインダ」を。相当辛いと思います。じゃ、お休みなさい。