昨日でした。去年、「W/X/Y」を爆発的にヒットさせた若手シンガーソングライター。今週の木曜日かな、25歳になります。3月にメジャーのファーストアルバム「多面態」を発売、その時にNACK5の「J-POP TALKIN’」でインタビューしました。
「W/X/Y」はデジタル世代のソフトソウルという感じでとっても心地よいラブソング。去年の印象深かった曲の一つだったんですね。でも「多面態」は、タイトルのように色んな面が詰まっていて、シンガーソングライターの今後を期待させてくれました。
今、SNSでいわゆる”バズる”人の中にはライブが得意じゃないという人も結構いるようなんです。僕は自分からは見ませんけど、Tick Tockとかの動画サイトは曲よりも振付で見られてるものも多いですし、そのことが目的と思えるものもあります。
彼はそういうタイプじゃないように見えたんですね。歌と言葉、ライブの届き方というのを一義的に考えている。インデイーズ時代から自分で主宰するイベントをやったりしてるのは知ってました。で、今年の春に初めてライブハウスで見たわけです。
その時はZepp横浜でしたけどね。バックもバンドでしたし、ネットで音楽を作っている人という感じがしなかった。で、次はホールコンサートです、ということで組まれていたのが今回のツアー。昨日はその初日でした。
それまでライブハウスしかやったことのない人の初のホールツアーの初日が何と国際フォーラムですよ。収容人員約5000人。ライブハウスは500人がやっと。いきなり10倍。でも、即日完売。どんなライブをするんだろうと思って見に行きました。
ツアーは始まったばかりですから内容には触れませんけど、初々しかったです。さすがに緊張感も手探り感もありましたけど、歌は届いてました。声も艶っぽくて張りがある。5000人に押されてませんでした。
お客さんは若いですけど、ちゃんと音楽を聴くという雰囲気と彼を支えてゆくんだ、という温かい気持ちが伝わってきて好感が持てました。生まれた時からデジタルの中で育ってる世代ですけど、そんなに特別に思う必要もないんでしょうね。
よく一回りした、という言い方をしますけど、音楽に関してはすでに何周りをしてる。古いとか新しいとかいう規定が消滅してる。僕らがそれ、古いんじゃないと思うことが彼らには新鮮だったりする。彼の「多面態」はそんな表れに思えました。
「W/X/Y」みたいにSNSで”バズる”曲はもうそんなに出ないかもしれませんが、ライブを重ねて行って聴き手を増やしてゆくと言うオーソドクスな活動が期待できそうな一人じゃないでしょうか。”バズる”ね。意味、ご存じですよね。
蜂が集まってぶんぶんと言ってるようにうるさいくらいに話題になること、なんだそうです。ついこの間知りました(笑)。というわけでTani Yuukiさん、「運命」を。じゃ、お休みなさい。