昨日、GRAPEVINEの新作アルバム「Alomst there」が発売になりました。前作「新しい果実」から約2年半。FM NACK5「J-POP TALKIN’」でもインタビューしました。今週の土曜日が完パケ。明日、台本にします。
GRAPEVINEは結成が93年。田中和将さん(V/G)、亀井亨さん(D)、西川弘剛さん(G)の3人組。今年は30周年。その時は大阪。メジャーデビューしたのは97年。新作アルバムは18枚目。アルバムチャートの最高位は99年の二枚目「Lifetime」です。
と言ってもそういうチャートや数字では測れない存在感。バンドとはどういう集団なのかを音と演奏で見せてくれる職人集団、孤高のバンドと言っていいでしょう。新作アルバムは、初めてキーボードの高野勲さんがプロデユサーとしてかかわってます。
ギター・ベース・ドラムの息の合ったアンサンブルにシンセサイザーの音のイマジネーションが加わって言葉の奥行きをより深くしている。「新しい果実」の続編でありながら違う面を見せてくれる。
と言っても初めてインタビューしたのが前作の「新しい果実」でした。それまでも妙にこびない確かなバンドだなあと思いつつ、歌っていることがどこか抽象的。あえれ分かりやすさを拒んでいる。何となく取りつく島がない感じがしてたんです。
それが変わったのが前作でした。「ほんとに遅ればせながら面白いバンドだなあと思った。一曲目に「ねずみ浄土」という曲があったんです。民話の「おむすびころりん」とフランスの作家、カミユの「ペスト」が一緒になってる感じでした。
何だこの曲は、と思って色々聞き直して、そういうことだったのか、と思った。売れるとか売れないという尺度の外にいるために切磋琢磨しているバンドだったと思ったんですね。あえて抽象的なことを歌っていた。
それがより深みを増していた。ギリシャ神話や日本昔話や旧約聖書の中に出てくるような言葉や比喩や登場人物が時にはシニカルだったりコミカルだったりしながら歌いこまれていて、それが批評性に富んでいる。それに気づいたのが大きかったです。
新作アルバム「Almost there」もそんな含蓄のある曲ばかり。「ねずみ浄土」の続編のような「雀の子」には小林一茶も出てくる関西弁のやさぐれオヤジの歌なんです。かと思えばシェイクスピアやLGBTまで登場する。
関西弁がこんなにグルーブのある言葉として歌われるのも珍しいでしょう。アメリカのソウルミュージックの泥臭さを関西弁で表そうとしてるんでしょう。歌詞を見て検索しながら聴くとより面白くなるというアルバムです。
で、発売に先駆けて14日にライブがありました。Zepp新宿。歌舞伎町のど真ん中。初めて行きましたけど、びっくりしましたねえ。昔のミラノ座のところに立っている超高層ビルの地下4階。ライブハウスとは思えない豪華さ。
バーカウンターが何か所もあったりね。こんな深いところに作ってどうするんだ、というくらい。何かの時のシェルターなのかと思いました。歌舞伎町。すごいです。以前のヤクザっぽさとは違う猥雑さは経験したことのない不気味さでした。
というのはこっちがジジイになった証拠ではありますが(笑)。でも、GRAPEVINEには妙に似合ってました(笑)。アルバムのツアーは10月27日の東京は渋谷公会堂です。というわけで、曲ですね。関西弁、「雀の子」を。じゃ、お休みなさい。