いきなり涼しくなりましたね。身体が戸惑ってるのが分かります。寝る時もタオルケットじゃ寒い。風邪ひくんじゃないかと心配になるくらい。こういう時に夏の反動が出るんで要注意なんですが、それとは別に「野音」、気持ち良かったです。
スタレビの「夏祭」シリーズのファイナル。去年からやっている通常のツアーとは違う野外メニューでした。二三日前までの天気予報はかなり怪しかったんですけど、最高でした。開演前は秋空が広がって、陽が落ちても心地よい風が吹いてました。
野音は今年の4月のBEGIN以来。今年は野音100周年で夏も色々な企画コンサートがあったりしましたが、暑くてどうにもならない。全部パス。野外引退を決め込んでました。そういう暑さは無縁。「緑陰」という感じ。これぞ野音という夜でした。
スタレビは何の予備知識がなくても楽しめるコンサートという意味で稀有なバンド。ヒット曲を聴きに行くというよりコンサートそのものを楽しむことが出来る。根本さんのMCやお客さんのあしらい方や演奏の合間のアクションもそう。
全てがお客さんに楽しんでもらいたいという一点にある。それを自分たちが楽しんでいる。セットリストもそうですね。しかもWOWOWの生中継も入っていた。そういう色んな要素が願ってもないお天気も相まって「最高の野音」となってました。
若いバンドの野音は、さあ、こっから行くぞ、という勢いや旬の熱気が感じられる場ではありますけど、そういう野音じゃなかった。年齢を超えてゆったり楽しめる。かといってじっくり聴くというコンサートでもない。
全く逆ですね。「夏祭り」ですからね。基本はサンバ。ホーンも入ったサンバ・スタレビ。自然に身体も揺れてくる。でも、エネルギーがほとばしっているという感じじゃない。程よい心地よさ。大人っぽいけど茶目っ気も余裕もたっぷりでした。
今年の夏、フジロックに出て予想してなかった大うけになったんでそうです。そうだろうと思いました。今の若いバンドにはこれだけの演奏力はありませんし、エンターテイナーという意味でもこんなにサービス精神に富んだバンドもいないでしょう。
一昔前のロックファンはどこか頑なでしたし、エンターテイナー的な人たちには優しくなかった。今は違うでしょうからね。色んな音楽を楽しむ柔軟性もあるし目も耳も超えている。曲を知らなくても楽しむセンスも身に着けている。
親の世代に対してのリスペクトもあるでしょうからね。矢沢さんや桑田さんのようなスーパースターにはない親近感もあったんじゃないでしょうか。来年の夏フェスは彼らが席巻するかもしれませんよ。
野音100周年。これぞ「野音」という空気に思わず昔のことが走馬灯のように浮かんで来てしみじみしてしまいました。何しろ、最初に行ったのはデモでしたからね、60年代半ばです。とんでもない時間が過ぎてしまいました(笑)。
そうだ、根本さんのMCの時に、虫の鳴き声が聞こえたんですよ。あれには感動しました。野音ならではです。ビルの谷間の虫の声、そして周囲の深い緑。野音の改装であの樹を切るとか切らないとかという議論があるそうです。
神宮外苑がまさにそうですけど、都市の緑化が求められる時代に逆行している。虫の鳴き声が聴けるコンサート会場が都心のど真ん中にあることがいかに貴重か。企業の利益と街の未来とどっちが大事なんだ。
というわけで曲ですね。虫の声の中で歌われたバラード「Endless Dream」を。じゃ、お休みなさい。