FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の10月の特集です。9月の特集「高橋研と小山卓治」は無事に収録しました。9月に出る予定だった小山さんの新作アルバムが遅れていて間に合うかと少し心配でしたけど、何とか2曲、オンエアできます。
二人ともデビュー40年以上。メジャーでデビューして今はインデイーズで自分のレーベルからの新作が出ました。同じ時代を生きてきたほぼ同世代のシンガーソングライターの新作。紹介される機会が多くない二人の今を伝えることが出来ました。
で、10月になります。あまり取り上げられることのないテーマでJ-POPを語っていきたいというある種のデイスカバー・J-POP。クミコさんと加藤登紀子さんの二人を軸にしてシャンソンを見て行こうという一か月になります。
クミコさんは7月に「時は過ぎてゆく」と「ヨイトマケの唄」の2曲を両A面シングルとして発売しました。10月と11月に「わが麗しの歌物語・銀巴里で生まれた歌たち・時は過ぎてゆく」というコンサートを行います。
「銀巴里」というのは銀座にあったシャンソンのライブハウス。伝説のシャンソン喫茶。「LEGEND CAFE」はそれまで10年続いた「LEGEND FORUM」を街中の喫茶店で音楽を語るような番組にしたいと4月に改題したんですね。
銀巴里は1951年に開店、美輪明宏さんや金子由香利さん、名だたるシャンソン歌手がホームグランドにしていた殿堂です。クミコさんは1981年にオーデイションに受かって歌うようになったのがプロの第一歩でした。
加藤登紀子さんは学生時代の1965年にシャンソンコンクールで優勝することでプロになりました。シャンソンを下地にしながら日本語の歌の可能性を求め続けてきた人ですね。先だって、日本訳詞協会の会長さんになりました。
J-POPというのは西洋の音楽に影響された日本語の音楽、だと思ってるんですね。だた、「西洋」の中で語られるのはアメリカやイギリスがほとんど、実はフランスの影響も大きかったということくらいは知ってました。
2006年かな、「毎日新聞」で作詞家・岩谷時子さんのことを連載で書いたんですね。「歌に恋して・評伝岩谷時子」という本にもなってるんですけど、その時にシャンソンとJ-POPというテーマはあるなと思ってました。
「洋楽」を「日本語」で歌うということで言えばアメリカンポップスよりもシャンソンの方が歴史も長い。岩谷時子さん、なかにし礼さん、ともにシャンソンの訳詞から作詞をするようになった人です。と言っても僕は門外漢ですからね。
クミコさんと加藤登紀子さん、お二人にそんな話をお聞きすると「シャンソンとJ-POP」「大人の歌」という新しい視点が見えるかもしれない。そんな特集です。今日、クミコさんの収録を終えました。でも、準備が大変でした。
こういう曲を流したいという希望がクミコさんから届いたのが一昨日の午後。僕はほとんど門外漢ですし、その曲がどんな曲で歌っているのはどんな人かを調べることから始めないといけない。泥縄の一夜漬け。受験勉強みたいでした(笑)。
「ヨイトマケの唄」は、美輪明宏さんの作詞作曲。道路工事の人夫さんの掛け声が歌になってる。もうご存じない方の方が多いでしょうけど、道路を固めるために太い丸太に滑車をつけて左右のロープで引っ張り上げてドスンと落とすんです。
”お父ちゃんのためならエーンヤコーラ””お母ちゃんのためならエンヤコーラ”という掛け声。労働歌ですね。美輪さんの近くにそういう方がいたことから生まれた歌。泉谷さんが最初かな。その後、桑田さんや槇原さんもカバーしてます。
今は違いますけど、「土方」という言葉がいけないと放送禁止だった時代もありました。それをクミコさんが歌った。女性のカバーは初めて聞いた気もします。聞きごたえありました。この曲を紹介した二週間と言ってもいいかもしれません。
シャンソンは「絶滅危惧種」と彼女は言ってましたけど、どんな風に聞かれるかなと思いながらです。というわけで、その曲を。クミコさんで「ヨイトマケの唄」。じゃ、お休みなさい。