この話は昨日、書いていたんですよ。でも、そろそろ終わりという頃に画面に異変が起きた。夕焼けの空みたいに徐々に赤みがさしてきたと思ったらシャッターでも降りるみたいに真っ暗になってしまいました。
慌てて電源を切ろうと思ってもウンともスンとも反応しない。何とか押し続けていてどうにか切れました。少し時間を置いたら電源も入ったし他の昨日は大丈夫だったんですが、ここはタイトルだけ残って本文は消えてました。
以前、ウイルスに感染した時、画面の中の文字が全部消えるという状態になったことがあって、今回もウイルスかも知れない。今朝、ショップに駆け込んでウイルスチェックをして問題ないということでした。あれは何だったんでしょうね。
というのは前置き。5月に公開されていた浜田さんの88年の野外イベント「A PLACE IN THE SUN」の記録映画。一昨日、あの日と同じ日の同じ時間という粋な計らいのアンコール上映が行われました。
僕が行ったのは六本木のTOHOシネマズ。その前に乃木坂の制作会社のスタジオで某機内放送の収録があったんで、その足で行けば丁度いい。乃木坂のミッドタウンからTOHOシネマズのある六本木ヒルズまでは地下を通っていける。
そんなに暑さは気にならない、と思ったらとんでもなかった。通路が分からなかったんで駅員さんに聞いたら「地上に出ないと行けません」とつれなかった。地上は熱風のカオスでした。六本木ヒルズも冷房の効いてるのがショップ近辺だけ。
もう、暑かったです。コンビニでカップ氷を買ってそこに水を入れて飲んだりしながら向かったんですが、あの日と同じ時間の上映というのが何とも感慨深かったです。何しろ冒頭が夏の浜名湖畔の空のシーンですからね。
一面に広がる夕焼けが美しい。白い雲と飛行船が浮かんだ空に浜田さんのアカペラの「A PLACE IN THE SUN」が流れてゆく。野外ならではの牧歌的な解放感の中でコンサートが始まってゆく。
88年8月20日、こんなに気持ちいい夏だったんだと思った。会場の6万人近いお客さんも特に暑さ対策をしているようには見えない。帽子を被っている人の方が少ないかもしれないという穏やかさ。88年8月、昭和最後の夏でした。
35年にいかに世の中が変化したかを図らずも思い知らされた。今年、あんなに心地よさそうな夏フェスはなかったんじゃないでしょうか。熱中症無縁の夏だった。5月に見た時と違うしみじみした感慨を覚えたのはそのせいもあったでしょうね。
改めて感じたのが、あの映画の音の良さと映像の質感。16ミリフィルムをあれだけの映画にするためにどんな苦労があったかは、5月に色々紹介させて頂きましたが、客観的にそう思えました。お客さんとして没頭した感じでした。
町支さんが映画を見て「浜田はこんなに鬼気迫る表情で歌ってたんだと感動した」と言ってましたけど、その言葉通りでしたね。あれだけの堂々とした説得力を備えたシンガーソングライターは当時も今もいないんじゃないでしょうか。
ともかく声が出ていたし歌に揺るぎがなかった。知性と肉体の完璧なバランスは30代の頂点という感じでしょう。映画館ならでは味わえた感じでした。応援上映でしたから歌っているお客さんもいましたけど、ライブ会場の声と一体化してました。
あの日、あそこにいた。微力ですが映画にも関われた。いい記念になりました。というわけで、曲です。やっぱりこの曲でウルウルしました。「明日なき世代」を。当時とは全く違うリアリテイですけど(笑)。じゃ、お休みなさい。