という本が出てるんです。RADWIMPS公式ノンフィクションと銘打たれてます。一昨年に出た「人生 出会い編」に次ぐ第二弾。書いているのはレコード会社の担当デイレクター。彼らをメジャーデビューさせた人。一番傍で見ていた人でもあります。
FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の8月の特集は「2023年最新音楽本特集」。今の名前になる前、「LEGEND FORUM」の頃から定期的に組んでいる特集。音楽について書かれた本のご紹介です。
来週、7日に放送される一週目は村井邦彦さんと吉田俊宏さんが書いた小説「モンパルナス1934」。六本木のレストランのオーナーだったプロデユーサー、川添紫郎さんを主人公にした「歴史小説」ですね。
彼がフランスへ留学したのが1934年。第二次世界大戦の前夜。ナチスドイツのファシズムとソ連のコミュニズムがせめぎ合う中で自由を求めてパリにやってきた若き芸術家の中で彼が何を学んだか。なぜキャンテイを開こうと思ったか、というお話。
戦前の日本をヨーロッパから見ているという意味でも稀有な小説でした。その後の二週目が「あんときのRADWIMPS・人間開花編」。これはもうバンドを扱ったノンフィクションの中でも稀有な本。一作目よりリアルな内容でした。
前作が2009年のアルバム「アルトコロニーの定理」まで。今回はその後から。2011年の東日本大震災以降なんです。RADWIMPSは震災直後に「糸式~itoshki」というサイトを立ち上げて自分たちに何が出来るかを誠実に発信してました。
その時のことから、2015年にドラマーの山口さんが病気で抜けるという緊急事態を経験するわけですが、その時の模様が生々しく描かれてるんです。メンバーも知らないような個人的な手紙のやりとりや相談ごとまで明かしてます。
外部の人が書いたら「暴露話」になりそうなエピソードが胸を締め付けられるようなリアリテイを感じさせるのは、当事者の一人だからでしょう。そういう時期を抜けてあの世界的ヒット映画「君の名は」の音楽に入っていきます。
そういうことだったのか、と改めて知ることが沢山ある。RADWIMPSというのはどういうバンドなのか。「公式ノンフィクション」でありながらいいことばかり書かれているわけではないです。
収録は月曜日、明日、台本にしようと思います。PANTAさんの特番も無事収録しました。例によってあの話をすれば良かったかな、みたいな気分はありますが、お役目は果たせたんじゃないでしょうか。
というわけで、曲ですね。RADWIMPS「前前前世」。この歌が違って聞こえる本でした。じゃ、お休みなさい。