7月7日に73歳の生涯を終えたPANTAさんを偲ぶFM NACK5の特別番組。8月10日放送です。明日、「J-POP TALKIN’」のレギュラー回、半崎美子さんのインタビューの完パケがあるんですが、その後に収録です。
PANTAさん、NACK5の番組審議委員もおやりになってたんです。そういう意味では一アーテイストと放送局という関係より濃いものがあった。しかも、2007年に放送して民間放送連盟賞をもらった「命の船・病院船氷川丸」もありました。
あの番組は、日本を代表する豪華客船、氷川丸は戦時中、軍に接収されて病院船だった時代があるということと、PANTAさんのお母様が従軍看護師で南方戦線に赴任していた。敗戦が近づいてきて日本に帰国する時に彼女が載った船が氷川丸だった。
帰国途中の航海で米軍の攻撃を受けたりもしたんです。もし、そこで沈められていたらPANTAさんは生まれていなかった。で、彼女がなくなった時の遺品からその頃の関係者やお世話になった方からの手紙が出てきたというんです。
そういう生存者をPANTAさんが訪れて戦争の話や母親の話を聞くことで、改めてあの戦争を考えるという趣旨。取材に3,4カ月かかったと思いますよ。PANTAさんのルーツと氷川丸のもう一つの歴史が浮き彫りになるドキュメンタリーでした。
全部の取材をPANTAさんとマネージャー、デイレクターの清水さんと僕で行動するという熱の入った番組。僕は構成者としてここまで真剣に作ったんだから民間放送連盟賞は、ある意味、もらって当然みたいな感じがありました。
その番組の再放送がひとつと、「J-POP TALKIN’」の2019年9月放送でPANTAさんのインタビューをしてるんですね。頭脳警察結成50周年のアルバム「乱破」が出た時ですね。まだ曲がたくさんあるとか音楽への情熱を語ってました。
色んな方の追悼コメントをもらおうか、という案もあったんですが、最新アルバムのインタビューですからね。過去の人じゃない、という証明にもなるでしょうし、そのインタビューを再編集して作ることになりました。
PANTAさん、最後まで心優しき反骨のロッカーでした。そんな一端が伝わればという追悼特番。放送は8月10日、午後10時から11時半です。お時間あれば。ということで曲ですね。アルバム「乱破」の中の「R☆E☆D」を。
頭脳警察は75年に解散して90年に再結成されるんですが、そのきっかけになったのがこの曲だ、とインタビューで話してくれました。世界中から「SOS」が聞こえるという歌。今の世界を歌っているようです。じゃ、お休みなさい。