哀しい知らせじゃありませんよ。先週の金曜日に収録したFM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」のゲスト。近年、とみに年上の方が少なくなっている中で彼は84才。今年85才。でも、バイタリテイ溢れていてお元気そうで刺激になりました。
何しろ記憶が確か。浅川マキさんの6枚組ボックスセットのご紹介だったんですが、それぞれのライブや曲にまつわる出来事や関わった人たちのことを克明に記憶されている。文章もお書きになるんで表現も巧み。聞いていて引き込まれました。
こだわりがあることの強さ、というんでしょうね。物を作ることや自分が関わった音楽、アーテイスト、いいと思ったことを形にしようとする情熱。浅川マキさんもリリイも下田逸郎も彼がいなかったら世に出なかったでしょう。
リスクを怖れない、というのかな。浅川マキさんの6枚組ボックスは78年の池袋東映のオールナイト、82年の京大西部講堂、92年の新宿ピットイン、93年の釧路生涯学習センターという4つのライブの模様を収めたもの。
そういう意味ではどれも通常のコンサートホールじゃない。人があまりやらない会場だったりする。リスクを怖れない、というより誰もやってないことを探しているようにも見える。どれも物語性に富んでいるのはそういう結果なんでしょう。
僕みたいなフリーランスはリスクを負わずに自分で出来ることを探ことが多いですしどこか臆病ですけど、そうじゃない突破力に溢れている。だから惹かれるんでしょうね。パワーをもらった感じでした。
と言ってもこうやって話せるようになったのはFM COCOLOの番組があったからでしょうね。70年代当時から知ってましたけど、僕は文化放送の片隅で台本を書いたり「セイ!ヤング」の機関紙を作っているしがないフリーランス。
彼は飛ぶ鳥を落とす勢いの若手プロデユーサー。お顔は知ってましたけど、遠くから見ている感じでした。でも、あれだけメジャーなところにいながら60年代のアングラシーンも知っているのが嬉しい、という感じです。
そういうことを分かり合える人がほんとに少なくなりました。是非放送をお聞きください。来週と再来週の月曜日、FM COCOLO夜9時です。というわけで、曲です。浅川マキさん、「赤い橋」を。いつ聴いても胸が熱くなる曲。じゃ、お休みなさい。