共同通信の「80年代ノート」もあと残り二回。それはこちらの事情で、掲載はそれぞれの新聞によって違うのでどういう状況かは把握してませんが。一昨年の4月から始まって今年の3月までという各週原稿。大詰めです。
何となく100回程度でしょうか、という始まり方だったんで少しはこぼれても大丈夫かなという淡い期待もありましたが100回にしましょう、ということで止むを得ず見送った出来事やアルバムもありました。それはまたいつか、という感じです。
で、89年。ユニコーンの3枚目のアルバム「服部」ですね。当時も面白いアルバムだなあと思ったんですが、改めて聴き直しても同じようなことを感じました。あの奇想天外さ。ありえない発想とアイデア。それが一枚のアルバムに完結している。
ナンセンスの妙、ですね。ユーモア。笑える。メンバー5人が全員で曲を書いた初めてのアルバム。どの曲もそれぞれの好みやセンスが表れている。ユニコーンというバンドの形が決定づけられたアルバムですね。
アルバムもそうでしたけど、驚かされたのはミュージックビデオですね。「I'M A LOSER」と「ペケペケ」、そして「服部」の中の「大迷惑」。楽器を持たないで演奏している「I'M A LOSER」、温泉の中で演奏していた「ペケペケ」。
クラシックコンサートを茶化したような「大迷惑」。アルバムの中では中近東風だった「デーゲーム」は坂上二郎とユニコーンでシングルになった時は唱歌風。意表を突くことの連続。あの自由さは今見ても笑えます。
当時、クレージーキャッツの再来、と思ったのを覚えてます。で、そういう一連のビデオを撮影したのが、板屋宏幸さんなんですよ。そのことに感慨を覚えてしまいました。2月の終わりに会ったばかりですからね。
「A PLACE IN THE SUN・渚園」のブックレットの原稿の取材。月末にまた会うんです。33年前ですからね。改めて彼の若き才能を感じるビデオとなってます。ああいうバンドは今、いるかな。
「ナンセンス」「パロデイ」というのは日本人にとってそんなに馴染みがない。クレージーキャッツを除けば70年代の大滝詠一さんくらいでしょう。米米CLUBは近いところがあるか。でも、ロックバンドではユニコーンの独壇場でしょう。
「80年代ノート」は、そうやって忘れかけていたことを思い出すいい機会になりました。後一回、最後は「松任谷由実と中島みゆき」にしようかな、と。こういうことを考えてるのがやっぱり楽しい。もうちょっとやっていたいという感じです。
というわけで、曲ですね。坂上二郎とユニコーンで「デーゲーム」。明日の準々決勝はナイトゲーム(笑)。僕はASKAさんのぴあアリーナ。これはもうしょうがいっす。自分のやるべきことですからね。じゃ、お休みなさい。