結構、空きましたね。今週は全然書いてなかったことになりますね。そうなんだ。そんなに空いたかという感じですね。夜になってバタバタすることが多かった。原稿の直しとか電話の打ち合わせとか。明日の準備とか。
みんな昼間忙しいんでしょうね。メールは入っていてもそれだけじゃ分からないことも沢山ある。結局、夜になって話をしたりしていると遅くなってしまう。寝る時間は大事ですし。そうすると書けない。書くことは色々あるわけですけど。
大阪で見た「歌縁」の東京公演が22日。一昨日か。みゆきさんの曲ばかり歌うシリーズコンサート。その日は無理でも昨日書こうと思っていたらやっぱり「80年代ノート」の直しが入ったりして、結局、今日であります、って言い訳が長いです(笑)。
で、増田恵子さん。元ピンクレデイ。大阪公演の時も書きましたけど、失礼な言い方ですが、まさか彼女の歌で涙するとは思ってなかったんです。主演者の顔ぶれを見た時、そう言えば彼女のソロデビュー曲「すずめ」がみゆきさんだったことを思い出しました。
今回の「歌縁」は多分、今までで一番バラエテイに富んでいたと言っていいでしょうね。出演者の顔ぶれも多彩。選んでいる曲はもっと意外。この人がこの曲を、そしてこんな風に、というオンパレード。
トップバッター、山本彩さん。脱アイドル。でも、歌うのはいきなり「空と君の
あいだに」ですからね。緊張したでしょうね。大阪ではHYの仲宗根泉さんでしたけど、東京は一青窈さん。歌とも語りともつかない「ファイト!」はすごかったです。
三番手がこれも意外なハンバート ハンバート。それぞれ3曲でしたけど、飄々としていてユーモラスなトークとは想像できない「タクシードライバー」。対照的にじっくりと歌い上げたのが半﨑美子さん。
半﨑さんの選曲もすごかった。「紅灯の海」「ホームにて」「Nobody is Right」ですからね。バンドと呼吸しながら歌っているような「紅灯の海」と「ホームにて」と一変したのが「Nobody is Right」でした。
「正義」なんてどこにもない。誰も「正義」なんかじゃないという、まさに今の世界の歌。それをクワイア。ゴスペルコーラスで歌ったんですよ。90年代にみゆきさんが「ファイト!」をゴスペルで歌ったのを思い出しました。あの時も泣きました。
その後に曽我部恵一さんがこれも「ばいばいどおくおぶざべい」「永遠の嘘をついてくれ」「化粧」という意外性も含んだ必殺選曲を聞かせてその後が増田惠子さんでした。当然の「すずめ」の後に「悪女」最後が「慕情」でした。
大阪もそうでしたけど、「慕情」が良かったんですよ。この曲を歌いたいと夢に見ていたという話もありました。でも、あんなに情感に溢れたスケールの大きい歌ですからね。それが彼女の歌になってたんです。
実感、でしょうね。”もう一度はじめから”というという願いが真に迫っている。やり直せないことを知ってしまってる人間の切なさみたいなものがにじみ出て迫ってくる。大阪で涙したんで確かめたかったんですが、やっぱり同じところで涙してしまいました。
声量があるとか巧みとかじゃない。その人の生きてきた時間とかそのことに対してのあらゆる想いが乗り移っている。歌ってすごいなあ、と思わされました。他の人が歌ってもそういう感情になる”曲の力”であることはもちろんですけど。
バンドですよ。高田漣さんが率いるバンド。ギター・ベース・ドラム・ピアノにストリングスとサックスだけ。シンセ関係を使ってない。控えめで抑制されていて、でも、生命力と情感が溢れてる。あのバンドあってこそのライブでした。
最後を締めくくったのが德永英明さん。最後に「時代」でしめくくった名曲三曲。さすがでした。で、もう一つ。詩人の最果タヒさんがみゆきさんの曲に合わせて書き下ろしを詩を須藤理彩さんが朗読する。コンサートに気品を添えてました。商業的なあざとさがありませんでした。
お客さんも温かったですね。70年代の曲が多かったからかな。よくぞこの曲を選んでくれたね、みたいな雰囲気が溢れていた。「さあ、歌って見なさい」みたいな上から目線がない。本人がもう歌わないだろうという曲を楽しんでる感じで会場一体のトリビュートライブでした。
「制作・FM COCOLO」というクレジットがありました。手前みそですけどこういうクリエイテブな放送局なんだという再認識。そこで仕事をしていることが誇らしかったです。一気に書きました。そろそろクラクラしてきますね(笑)。
曲ですよ。増田惠子さんの「慕情」。CD音源になるんでしょうか。じゃ、お休みなさい。