二日続けてのリモートインタビュー。今日は、HYのリーダー、ギタ・ヴォーカルの新里英之さん。昨日と違うのはこちらがスタジオにいたことですね。NACK5の銀座スタジオと沖縄を結んで行われました。
自分の仕事場でやるとWIFIの状態が不安定になったりしますけど、スタジオですからその心配はありません。マイクもスタジオのマイクを使いますから自分の滑舌の悪さをそんなに気にしないで済む。落ち着いてやれました。
HYは目下ツアー中。21日には三島でライブがあったばかり。メンバーは昨日沖縄に戻ったみたいでHideさんもリラックスしてました。HYのインタビューは5年ぶり。9月21日に15枚目のアルバム「Kafuu」が発売になります。
「Kafuu」は、「良い知らせ」という意味の方言。標準語で言うと「果報」なんだそうです。彼に言われて気づいたんですが、アルバムのタイトルに方言が使われるのは初めて。今までは英語でしたからね。
デビューが2000年。デビュー20周年を超えてメンバーも来年が40代に突入。今までと違う地元意識が出てきてるんだろうなあ、というタイトルでもありますね。アルバムの中にもそういう沖縄色の出ている曲もあります。
彼らの名前の「HY」というのは彼らの地元「東屋慶名」という地名の頭文字というのは今更、という感じもありますが。そんなに「沖縄」を強調してきたわけでもないんです。むしろ敢えて出さなかったと言った方がいいでしょう。
僕らのやるのは「ポップス」で「民謡」じゃない、という区別の仕方。デビュー当初は”ミクスチャーロック”と言ってましたからね。でも、年齢を重ねて変わってきた。より幅の広い音楽になってきた。また新し扉を開けた感じです。
ロックも民謡もサンバもソウルミュージックも。沖縄にいたから身についている音楽が自然に現れるようになった。いい年の取り方をしてるなあ、と思いました。キーボードの泉さんが娘さんを通して今の子供たちの疑似恋愛を歌った曲もあります。
HYの最大の魅力は「素直さ」だと思ってるんですね。地元の高校の音楽仲間がストリートで歌うことで始まった。沖縄の空や海や風が身についている。都会の垢みたいなものがついてない伸び伸びとした自然体の青春がある。
デビュー以来東京に出てこない。MONGOL800がそうだったように活動の拠点を沖縄においたまま。最初は東京のプロダクションに所属してましたけど、9年前かなそこから独立して自分たちの事務所とレーベルも発足しました。
ヴォーカルもソングライターも3人でしかも男性と女性。トリプルヴォーカルのロックバンドにはTHE ALFEEがいますけど、HYは男女だし3人の曲調も違う。今回のアルバムは女性の仲宗根泉さんの色が濃いのも特徴でしょう。
コロナにもめげずツアー中。来年の1月が沖縄公演でファイナル。残り少ないですが、どっかで見たいなあと。来年の3月には自分たちの野外フェス「SKYフェス」の4回目があります。沖縄で彼らを見るとほのぼのとした気分になれます。
リモートで話してる時、飛行機の音で話が中断したりしました。ちらっと視線を上に向けた「戦闘機ね」とさりげなく言ってました。それが日常の沖縄なんだな、と改めて思わされました。というわけで、HY。この曲で好きになってから20年ですね。
インデイーズでありながらオリコンアルバムチャート4週一位になった2001年のアルバム「STREET STORY」のタイトル曲を。三線が気持ちいいです。じゃ、お休みなさい。