何の話だ(笑)。何気なく見ていたMTVで流れていたのが星野源さんの「異世界混合大舞踏会featおばけ」という曲。動画が面白かったんでつい見ていたら、”おばけはいるぞ、だけど生きた人よりは怖くない”という歌詞に惹かれました。
そうだよねえ、という妙な納得。おばけよりも怖そうなことが沢山ある。おばけも逃げ出すような出来事が次々と起こってる。おばけがどんなに怖くてもこんなに一度に沢山の人を病気にもしないでしょうし、人も殺しません。
おばけなんか可愛いもんだという世の中がポップに歌われた曲でありました。さすが星野源さんという感じでしょうか。おばけソウル。おばけファンク。おばけ踊り。異世界混合というんだからこの後、他の”異世界生命”が登場するんでしょう。
日本の夏にはお化けがつきものでしたけど、近年はめっきりご無沙汰。深夜映画で昔の怪談映画が流れたりすることもないみたいですし。「四谷怪談」か「番町皿屋敷」とかね。あ、CSの「日本映画チャンネル」なんかではやってるのかな。
一部のマニア向け、なのかもしれませんね。ホラー映画マニアがいるみたいに怪談映画ばかり見ているという人、まだいるんでしょうか。恨みつらみという意味では今の方が怪談が生まれる要因には事欠かない気もしますけど。
怪談より現実の方が怖い。おばけより生きてる人の方が怖い。あの歌が妙にうなずけるわけです。でも、「オバQ」もあったし「ゲゲゲの鬼太郎」もあるし、おばけというのは、日本人にとって極めて親しみのある存在ではあるんでしょうね。
おばけのいない夏ね。戦争と感染症と無茶苦茶な暑さと雨の降り方ではおばけが出る隙もなさそうですし。おばけも音を上げる2022年の歌、あれ、どのくらいヒットするんだろうな、と思いました。
夏、怖かったもの。子供の頃、船橋の映画館の横で暮らしてたんです。映画が終わると家の横の道をぞろぞろ人が帰ってゆくんですね。ある時、その映画館から「熱いよお」「熱いよお」という妙な悲鳴、なき声が流れたんです。
それは上映されている映画の音だったんですね。その声が不気味で鬼気迫っていて、その映画が上映されている間中、おびえたように夜、寝る時に耳を澄ましてた記憶があります。怖くて寝られなかった。
その映画は広島の被爆を記録した「原爆の子」という映画でした。映画館にはスチール写真も貼ってあったんですが、怖くて見られませんでした。幼児体験の中の最大の恐怖体験だったかもしれません。それに比べればおばけは可愛いもんです。
楽しみにしていた達郎さんのサンプラはメンバーがコロナということで延期。おばけがウイルスを運ぶという話は聞いたことがありません。やっぱり生きた人間の方が怖いか。というわけで、おばけのいる夏が懐かしい(笑)。星野源さん「異世界混合大舞踏会fetおばけ」を。じゃ、お休みなさい。