そういうインタビューでした(笑)。前作からこのアルバムまでに何があったんですか。何がこのアルバムを作らせたんですか、何があってこういう歌になったんですか。そんな質問の連発、異例の「何があったんですか」インタビューになりました。
半崎美子さんのNACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー。僕のコロナで延期になって今日行われました。スタジオでの完パケが明後日ですからね。ギリギリ。ディレクターはインタビューが終わってそのまま編集に突入。今、佳境でしょう。
前作のアルバム「うた弁2」が2019年8月。2020年にカバーアルバムが出てるんですが、オリジナルとしては3年ぶり。今回のアルバムに収録されているシングル3枚も202年から出てます。つまりコロナに入ってからですね。
「うた弁3」はこれまでの2枚がミニアルバムだったのに対して、持っているものを全て出し切ったと思われる13曲入り。曲やアレンジだけでなくアルバムの曲順に至るまで全神経を注ぎ込んだようなアルバムです。
素晴らしいアルバムだ、ということはこの間も書きましたけど、僕が言っても始まらない。それをどうインタビューで本人の言葉として聞けるか。どうしてこういう形になって、何を伝えようとして、今、どう思っているのか。
それを引き出すために随所で投入したのが「何があったんですか」攻め(笑)。本人も「何があったんですか、シリーズですね」と面白がってましたけど、なるほどと思える答えが沢山聞けました。
たとえば、このアルバムの中の彼女の歌がこれまでとかなり違う。何があったんですか、になるわけです。その一つが、デビュー5周年のシングル「蜉蝣のうた」を書いた森山直太朗さんに歌のアドバイスを受けていた、とかね。
インデイーズ時代にはやっていてメジャーになってやってなかったミュージシャンと一緒に音を出してレコーデイングをしたとかね。演奏しているのがアレンジャーの武部聡志さんとかミトカツユキさんの気心の知れたミュージシャンですからね。
演奏が歌を変えた。今までにない生き生きしたスケールの大きさがある。ソウルシンガー誕生という歌になっているとか。コロナで立ち止まらざるをえない中で詞の書き方が変わったとか。みんな理由がある。
母親のことを歌った曲もあって、それも以前の「母へ」という曲とは少し視点が違う。ひょっとしてお母さまに不幸でもあったのか、と思ったのですが、それは的外れだったとか。そうもう一つ、的外れだったのが大手芸能事務所のことでした。
全く関係ありません、と一蹴されました。今までも自分の歌や作品に対しての意見はさせませんでした。頑固ですから、と笑ってました。そうですよね。頑固じゃなかったら17年間も誰も頼らずに活動できませんよね、というオチがつきました。
こんなに涙もろい人だったんだ、と思ったのは「毎日新聞」の「今月の特撰盤」を書いているもう一人の方が「うた弁3」を取り上げていて、「涙が出た」と絶賛してたんです。その話を聞いたら「嬉しいです」と涙ぐんでました。
一人で耐える時間の長かった人は他人の暖かさの意味も知っている。あらためてそんなことを思わされた瞬間でした。色んなことがあったからこそ、のアルバムです。インタビューのオンエアは8月27日と9月3日です。
というわけで曲ですね。アルバムの一曲目「地球」を。「地球と命」をこんな風に歌った曲も珍しい。白血病でなくなった本田美奈子さんの遺構集を読んでから書いた曲だそうです。ここにも出来事がありました。じゃ、お休みなさい。