収録終えました。今日録ったのは三週目と四週目。2011年の東日本大震災で日本での活動を再開して以降の3枚のアルバム「Here I am」と「There You Are」「TERRA~here we will stay」の紹介ですね。
渡米する前はコンサートもあまり好きじゃなかったという彼女が激変。被災地を廻ったり全国ツアーを行ったり、後藤次利さん、松原正樹さん、佐藤準さん、村上ポンタ秀一さんたちとシリーズコンサートを行ったり別人のようなフットワーク。
その割に日本の音楽ファンに知られていないともいえるこの10年を二週に渡って辿ってました。成功した一人のアーテイストがこんな風に自由になる。彼女の言葉を借りれば「生まれ変わった」ような活動をするようになった。
その3枚のアルバムはテーマが一貫してるんですね。「I」「YOU」「WE」という人称にあるように一人の「人」として瓦礫の中で歌い始めた「I」と待っていた「YOU」、ともに同じ時代を生きている「WE」。生々しい本音が語られました。
めぐりあわせを引き受けるというんでしょうか。実は、2001年のマンハッタンのテロの時に日本での活動再開を考えていて、コンサートも決まっていた。でも、その前に親友の家族が銃で命を落とし、その直後にテロがあった。
外に出るのが恐ろしくなっての決まっていた日本でのコンサートをキャンセルしてしまった。色んな精神的なダメージも癒え、子育ても終わった10年後に決まったコンサートのリハーサルのために帰国する前日に東日本大震災が起こってしまった。
コンサートはキャンセルせざるを得なかったもののその足で被災地を訪れて歌うようになった。そんな経緯の中で自分がどう変わっていったか。それが音楽にどう反映されていったか。復帰後の3枚のアルバムがその証です。
特に去年の9月に出た「TERRA~here we will stay」は、彼女のキャリアの中の最高傑作。これまでにやってきたことや自分の中の音楽の集大成であると同時にやったことのないことの挑戦のアルバムでした。
二週目のテーマの「私とアメリカ」「私と洋楽」の時に渡米前はつねに「洋楽」を意識していたという話がありました。でも、復帰後のアルバムにはそういう意識が感じられない。「洋楽」を意識させないでも音楽自体が「洋楽」になっている。
そこに自分の表現したいこと伝えたいことが形になっている。明らかにこれまでの時間があったから生まれたアルバムでした。実は、あのアルバムが出た時に「J-POP LEGEND FORUM」で特集しようと思ったんです。
でも、ちょっとタイミングが合わなかった。今回の受賞の知らせを受けた時にはまさに千載一遇という感じでした。一週目の収録は彼女がコロナに掛かってしまって僕一人でやることになりましたけど、まさに「緊急特集」でした。
日本の人たちは「出て行った人」に対して冷たいですからね。思いがけないアメリカでの表彰が日本での再評価につながることを。というわけで、アルバム「TERRA~here we will saty」から同名のタイトル曲。11分17秒の組曲。番組ではフルで流します。じゃ、お休みなさい。