長いタイトルになりましたが、その方が分かりやすいかなと。今日、NACK5で完パケした時にさゆりさんのインタビューとアルバムの曲を組み合わせながら聴いていて改めて色々思ったことがありました。
昨日も書きましたけど、アルバム「X-Cross」は、ジャンルの違う人たち、特に職業作家じゃない人たちに曲を依頼したアルバムで、「X-Cross」というタイトルは今まで出会ったことのない人たちと出会う、交差するという意味があります。
2012年の「Ⅰ」は、ブームの宮沢さんとか奥田民生さん、くるりの岸田繁さん、「Ⅱ」はGLAYのTAKUROさんや椎名林檎さん、森山直太朗さん、「Ⅲ」は、細野晴臣さん、矢野顕子さん、大江千里さんという人たちが書いてました。
で、「Ⅳ」は、スカパラの谷中さん、NARGOさん、阿木曜子・宇崎竜童さん、布袋寅泰さん、加藤登紀子さんという人たちが書いてます。これまでと違うのは「大人の」という括りがあること。それぞれがイメージする「大人の歌」が聴けます。
じゃ、大人の歌、大人のラブソングというのがどういうものなのか。加藤登紀子さんが書いた二曲はその答えのような気がしたんです。「再会」と「残雪」という曲ですね。「再会」は、言葉通り、「再会」の歌です。
ラブソングの中で「再会」は重要な舞台。元の彼氏や彼女、結婚していた相手との再会。再会したとか再会したいとか。加藤さんが書いた「再会」もかつてそういう関係にあった相手との歌ですが、いきなり「この世にさよならする前に」と始まる。
「この世にさよならする前にもう一度君に会いたい」という手紙が来るという歌。同じ再会でも「この世にさよならする前に」という状況がある。歌の終わりが「旅の終わりと始まり」なんですが、「旅」が「人生」と重なってゆく。
「大人」というのは、そういう「終わり」を知るということなんだ、というラブソング。「残雪」は「故郷」を歌ったものなんですが、「帰らない故郷」「帰れない故郷」がテーマ。そういう事情を抱えた人にとっての「故郷」ソング。
加藤さんは生まれが満州、実家がロシア料理店。先日、ウクライナ支援のチャリテイアルバムを出したばかり。「故郷」に対して屈折した愛情の当事者でもある。単なる「望郷」ソングじゃない。それも「大人のラブソング」という印象でした。
石川さゆりさんの歌のデリケートさが伝わってくる。そんな2曲でした。彼女が曲についての経緯を話してくれたことでより味わいが深くなる。そんな聴きごたえのあるインタビューになったんではないか、という自画自賛でした(笑)。
学生時代から夏休みになると故郷に帰る地方出身の友人が羨ましく思えたりしてました。実家暮らしの人間に「故郷」はありませんからね。でも、「残雪」は、「故郷は心の中にしかない」と言ってるような曲でもあります。
NACK5「J-POP TALKIN・石川さゆり」。オンエアは7月16日・23日です。Podcastでも聞けます。というわけで、加藤登紀子さん「再会」を。「この世にさよなら」しそうな友人、何人かいます。女性じゃありません(笑)。じゃ、お休みなさい。