明日”も”、ですからね。明日がFM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の「ムーンライダーズ」特集の後半二週の収録。いつもは二週ずつ収録してますが、今月は5週。三回に分けざるをえませんでした。
前半二週は新作アルバム「It’s the moonriders」の全曲紹介。鈴木慶一さんとアルバムに参加した若いミュージシャン、澤部渡さんと佐藤優介さんの3人でのトーク。三週目からは鈴木慶一さんが一人で話してくれます。
彼が選んでくれた22曲で45年を辿るという三週間。これまでのアルバムを聴き直してました。こういう機会じゃないとそんな風には辿りなおせません。今までも視界に入っていながらどこかで近寄り難い感じもしてました。
面白かったですねえ。そういうことか、そうだったのか、こういうことだったのか。やっとわかったムーンライダーズ。それぞれの個性がどういうものか、それがどういう形でバンドの一要素になっているのかがやっと分かってきた。
6人6様というのはこういうことだ、という多面性と多様性。見る角度で光り方が変わってくる。万華鏡のような職人バンドという感じ。陽もあれば陰もある。楽観と悲観、ペシミズムとオプチニズムが一体になって同居している。
東京のバンドというとはっぴいえんどがすぐに上がりますけど、はっぴいえんどは港区とか渋谷区。都心ですね。ムーンライダーズは浅草や上野から羽田、大森あたり。墨田川も羽田空港も東京湾もある。
音楽はもちろん文学や映画、演劇、色んなカルチャーも混じっている。そういうマニアックなカルト性ということでは史上最大のバンドと言っていいでしょう。しかもアルバムごとに全く色が違ったりする。そういうことがやっと分かりました。
遅かったですけどね。明日の話もどうにかこうにかついてゆくという感じになりそうです。で、明日”も”、というのは昨日も慶一さんのインタビューだったんですよ。それはNACK5「J-POP TALKIN’」。慶一さん一人でした。
「LEGEND FORUM」は進行台本があるんですね。生放送のように収録して話を編集してゆくんですが、「J-POP TALKIN’」は台本なしのフリートーク。同じようにアルバムの話をしても少し違ってると思います。
ということで一か月間の「ムーンライダーズ」漬けの締めくくり。無事の終わることを願いつつ。曲ですね。”死”や”老い”の哀愁をこんなに歌ってきたバンドは彼等だけじゃないでしょうか。それも改めて思ったことです。
新作アルバムのキャッチコピーに”老齢ロック”という言葉がありました。アルバムから「再開発がやってくる、いやいや」という曲を。こういうスローラップは聴いたことがありません。安易さを良しとしないマニアックなこだわりです。じゃ、おやすみなさい。