発売は5月11日。まだ少し先ですね。アルバムの収録曲が発表されたのも先週かな。でも明日からツアーが始まりますね。明日と明後日は福岡ドーム。今はペイペイドームというんですね。ぺいぺい、使えません(笑)。
30周年ベスト。二枚あります。「2011~2015」と「2015~2021&NOW」。今までもそうでしたけど、10年単位のベストアルバム。でも、代表曲を網羅しましたという選曲じゃないです。それぞれの時期を記録している曲が選ばれてます。
アルバムでいうと「(an imitation)blood orange」「REFLECTION」「重力と呼吸」「SOUNDTRACKS」の4枚。バンドの形が変わった時期と東日本大震災からコロナ禍、そして突然の戦争という未曽有の激動が重なったアルバムですね。
アルバムについての原稿を書くので聴いていて改めて思ったことがいくつかありました。2001年と2012年のベストアルバムとは明かに違う。Mr.Childrenの第三章というのかな。起承転結で言えば「転」ですね。
これまでのアルバムにあった「若さ」みたいなものが変わってきている。より思慮深く内省的になってる。言葉が適切かどうかは別にして、二作のアルバムの中には「人がどう老いてゆくか」という裏テーマがあるように思ったんです。「「大人になること」の先ですね。
ムーンライダーズの新作の時にも書きましたが、どんな人間でも「老い」と「死」からは逃れられない。自分だけではなくて身近な人たちのそういう場面と向き合わざるをえない。そのことに気づいてゆく軌跡という感じでした。
4枚のアルバムがそうでしたからね。「(an imitation)blood orange」は震災の後に音楽に何が出来るかを模索していた。バンドの編成も変わった。「REFLECTION」は、そこから次に向かう高らかな歩みのアルバムのようでしたし「重力と呼吸」は、その成果でしょう。
その静かな着地点が最新作の「SOUNDTRACKS」。あのアルバムの中の曲のタイトルを使えば「Documentary film」のようなアルバム。「&NOW」ですからね。新曲の「永遠」と「生きろ」は、「コロナと戦争」という今へのメッセージのようでした。
全28曲。これだけ成功したバンドがこんなにリアルな曲を残していることに改めて感じ入ったというアルバムでした。ロックバンドは「老い」と「死」にどう向き合うか。ここから「結」が始まるのかもしれません。
ツアーのタイトルも「50周年の入り口」ですからね。「30周年ライブ」ではなく「50周年」に向けている。まさに「結」に向けてる。どんなライブなんでしょうね。僕は東京ドームです。というわけで、曲です。「Documentary film」を。じゃ、お休みなさい。