「z世代」という言葉は近年、よく耳にしますね。何となく今の20代前半の若者たちを指すんだろうな、という程度にしか思ってなかったんですが、昨日、ようやく分かりました。その世代を表すキーワードが「デジタルネイティブ」でありました。
昨日、「音楽制作者連盟」という団体の配信の新年カンファレンスがありました。昔風に言うとシンポジウムみたいなものですね。2022年の音楽業界、音楽シーンはどうなっていくのか。「Z世代とグローバリズム」がメインテーマでした。
音楽制作者連盟というのは、音楽制作プロダクションの集まりですね。通称”音制連”。設立は1986年。音楽制作者や実演家の権利を守るという目的で作られました。230くらいの事務所や会社が加盟してますね。毎年、1月には新年懇親会があるんです。
発足した時の中心になっていたのがユイ音楽工房の後藤豊さんでロード&スカイとかヤマハとか、70年代の”こっち側”の団体が多かったんで、なつかしい人に会える。そういうパーテイみたいな場は苦手な方ですけど割と参加してました。
久しぶり、元気ですか、みたいな会話をしに行く感じだったんですが、去年は中止、今年が配信でのカンファレンスになってました。新年、そうそうみんなで勉強しましょう、みたいな感じかな。勉強しましたよ。
「グローバリズムと日本の音楽」とか三つのテーマの一つが「z世代」。司会が70年代生まれの音楽ジャーナリスト、柴那典さん。いい仕事をされる人です。彼の「初音ミクはなぜ世界を変えたのか」は60年代と2000年代を結びつけた、目から鱗の名著でした。
YOASOBIの制作者や、きゃりーぱみゅぱみゅの事務所の社長さん、インデイーズのレーベルのデイレクターらが加わっての座談会。z世代とは何か。90年代後半から2010年代の前半くらいの生まれの世代。彼らに共通しているのが「デジタルネイテイブ」。生まれた時からデジタルがあるという世代です。
デジタルを使った応用力や発信力が際立っている。クリエイテイブな関心や表現能力が音楽だけに限らない自由さを持った世代。彼らがどんな可能性を持っているのかを現場を見ている人が話してくれる。学校の講義みたいで面白かったです。実際の学校の講義は面白くなかったです(笑)。
そういう仲間に入れてほしい、みたいな気分もありましたけど、孫の中に入っていくみたいでどうにもならないでしょうから、話を聞いてなるほど、と思ってるしかないわけですが。でも、色んな可能性があるんだなあ、と思いました。
というようなことを考えていると、後何年出来るんだろう、みたいなことが少し気にならなくなる。どっちにしろ、もはや取り残された世代なわけですから、どこまで野次馬になれるかなんでしょうけど。
z世代。ラテン語のアルファベットの最後の文字だからなんだそうです。まさに何かが最後になる世代、ということなるんでしょうね。デジタルネイテイブということは、全く違う環境の中で生まれ育った世代ということでもあるわけですから。昔風に言えばまさに「新人類」ね。
ゴダイゴ漬けの中での頭の体操、みたいな時間でもありました。どっかでそういう講義を受けに行ってみたいな、と思ったり。萩本欽一さんみたいですけど(笑)。あの人、73歳で大学に入ったんですよね、あ、もうとっくに手遅れか(笑)。
曲ですね。音楽も文学もアートも境がない。デジタルネイテイブのシンボル的存在、YOASOBIの新曲「もしも命が描けたら」を。z世代の特徴のひとつは「命」に対してのナイーブさでもあるのかもしれません。
デジタルな中で育ったからこそ感じる「命」の意味。紅白で歌われた「命に嫌われている」という歌もありました。じゃ、お休みなさい。