FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の2月の特集は「ミッキー吉野」。4歳でピアノを始めて13歳でプロデビュー、16歳でゴールデンカップスに参加した天才少年が去年の12月に70歳になりました。
それに合わせてアルバム「Keep On Kickin’ It」が出ました。ゴールデンカップス、ゴダイゴを軸に作曲した曲やピアノ演奏曲。音楽家としての全体像にフォーカスしたアルバム。プロデユースが亀田誠治さんです。
去年の7月に出た松本隆さんのトリビュートアルバム「風街に連れてって」も亀田さんのプロデユース。あの時も一か月かけて番組で紹介したんですが、今回もその形を取ってます。つまり前半二週が亀田さんゲスト、後半二週がミッキーさんですね。
前半はアルバムの中身に特化して、後半はオリジナル曲を素材にミッキーさんに音楽人生を語って頂こうという趣旨。来週が収録。目下準備中であります。まずは、ゴダイゴのアルバムを聴き直すところからですね。
実を言うとミッキーさんは一、二回しかお会いしたことがないんです。どんなバンドでもそうなんですが、やっぱりヴぉ―カリストに話を聞くことが多いからでもあるでしょうね。ヴォーカルのデイブ平尾さんの番組の構成をしてたこともあるんです。
でも、ゴダイゴは縁がなかったんですよ。70年代の後半、僕も編集プロダクションをやったりしていて音楽専門という感じじゃなかったですし。80年代になって音楽のことだけ書いていこうと思った時には彼らはもうスターバンドでした。
僕は拓郎さんや浜田さん、甲斐バンドや尾崎豊さんという流れの仕事が多くて、テレビで人気になったゴダイゴは接点がなかった。アジアでの開拓者的存在で、70年代のロックバンドとは違う存在感を獲得したバンドという認識はありましたよ。
このままの状態では心もとない、一から勉強し直さないとということでアルバムを聴き直しているわけです。その中で聞いた、去年の11月に出た「西遊記」(シン・リミックス)が目から鱗なアルバムでした。
彼らの出世作テレビの「西遊記」が元になったアルバム。「モンキーマジック」や「ガンダーラ」が入ってます。でも、当時はこんなに逞しいロックバンドという印象を持ってなかったんです。あれは音のせいなんだ、と再認識させられました。
リズム隊がこんなにどっしりして力強いのかと思った。アメリカのサザンロックみたいな感じもしました。キーボードやシンセサイザーもこんなに冒険的で自由なのかとか。軽くないんです。ポップバンドという感じが消えました。
リミックスしたのはミッキーさんご指名のニューヨークで活動している日本人のエンジニア、再評価の機運が高まるきっかけになりそうな気がします。ノスタルジーという感じではないです。明日もゴダイゴ漬けになりそうです。
出会いは強烈に覚えてるんですよ。長谷川和彦という鼻っ柱の強い映画監督が撮った「青春の殺人者」という映画の音楽を結成したばかりのゴダイゴがやってました。原作が中上健次さん。重い映画でした。
そこで流れた曲に惹かれたのが最初ですね。「イエロー・センターライン」という曲。「西遊記」じゃなくてデビューアルバム「ゴダイゴ・組曲”新創世紀”」に入ってました。その曲を。感染者数、ついに1万7千人!。三回目のワクチンは再来週です。じゃ、お休みなさい。