NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー。1月26日に3枚目のアルバム「Actor」が発売になるバンド、緑黄色社会。穴見慎吾さん(B)、長屋晴子さん(V・G)、小林壱誓さん(G)、peppeさん(Ke)という4人組。
愛知県の高校の同級生だった長屋さんと小林さんとpeppeさんと、小林さんの後輩だった穴見さん。2013年に10代限定のロックフェス、「閃光ライオット」で準優勝して活動を本格化して、2018年にデビューしました。
2020年に通算二枚目、メジャー一枚目のアルバム「SINGALONG」がチャート一位を記録、その中の「Mela!」がダウンロード数一億回を突破。去年、最も注目されたバンドの一組になりました。
今日、インタビューに来てくれたのは長屋晴子さんと穴見慎吾さん。緑黄色社会はメンバー4人全員がソングライター、主に曲はそれぞれ、長屋さんは詞の大半を書いてます。インタビューしたのは今日が初めてでした。
全員が曲や詞を書いているバンドというのはありそうでそんなに多くない。たいていが一人の傑出した才能に引っ張られる形。そして、その方がまとまりやすい、ということも言えますね。全員が対等というのはまとまりにくいという側面にもなる。
というような詳しいことを知ったのは最近。インタビューが決まってからアルバムを聴き直したり、これまでのインタビューを読んだりして色々知りました。最初の興味のきっかけだったバンド名が「緑黄色野菜」の聞き間違いからついた、とかね。
ただ、ヴォーカルの長屋さんは、いきものがかりの配信イベントにゲスト出演していたり、小田さんの「クリスマスの約束」に出て「Mela!」を歌ったりしてましたからね。溌溂とした躍動感のあるヴォーカリストだなあという認識はありました。
でも、アルバムを聴くと、明るいポップバンドというのは「Mela!」の表面的な印象であって、実は内省的で健気なバンドなんだということが分かる。色んな事を聞いてみたくなるバンドだった。そういうインタビューになりました。
バンドにはリーダーがいなくて、全てが合議制。全員が自分の曲を持ち寄ってみんなで話し合って採用曲を決める、とか。詞と曲を分担している時に意見が合わずに口もきかない冷戦状態になったりする、とか。
しかも男女比が2対2ですからね。それこそジェンダーの問題がない。女性らしい曲や言葉がありつつ男性にしか書けない曲もある。それを女性ヴォーカルが歌うことで性差みたいなものを超えてゆく。
長屋さんが影響を受けたといういきものがかりの面白さもそういうところにありました。水野良樹さんと山下穂尊さんという男性の書いた詞や言葉を吉岡聖恵さんが歌うことで別の人格が生まれてくる。緑黄色社会もそういうバンドに思いました。
そう、一言で言ってしまえば、多様性。バンドがそういう関係だからでもあるでしょうが、人はそれぞれ違っている、違っていて当たり前、という多様性とそれを踏まえた共生社会。それが「緑黄色社会」という社会じゃないでしょうか。
前作アルバムの「愛のかたち」に、”いびつでも○でも△でも☓でもいいよ それぞれが愛のかたちだから”という歌詞がありました。新作「Actor」の一曲目「キャラクター」でも”間違ってないし合ってないし 愛すべきなんだ”と歌ってます。
というような話になるかな、なったらいいな、と思うインタビューになりました。今、ネットが音楽の主流になっている中で、そういう多様な関係性を持った生身のバンドが少なくなってますからね。今年期待のバンドです。
「J-POP TALKIN’」が、どういう番組か説明をしていて、12月にはRADWIMPSも出てくれてと話したら、穴見さんは幕張メッセ行きました、と言ってました。RADのセッションのドラマーは彼らのレコーデイングに参加した仕事仲間だそうです。
彼は一日目、僕は二日目。でも、そういう話で盛り上がれるのは幸せなことだと思いました。これ、書くと問題あるかな。RADWIMPSの事務所の社長さんは、浜田さんに武道館公演を提案した中国四国地方のイベンターその人です。
ということで、緑黄色社会の曲を。アルバム「Actor」から「キャラクター」を。どんなキャラクターにも意味がある。同感です。じゃ、お休みなさい。