映画が公開されるんですよね。正確には「されてる」ですね。今日から三日間連続配信。1969年の「Get Back」セッションを収めたドキュメンタリー。かつて映画「LET IT BE」として公開されたものですね。
あの映画はビートルズの最後の混迷状態を記録した映画として語られてますけど、実際のセッションの様子はそんなに暗いものじゃなかった、というのはその後明らかになってきていて、今回の映画は未発表映像も踏まえて再編集されたものなんですね。
去年、ビートルズ研究家の藤本国彦さんが「GET BACK NAKED」という本を出しました。セッションの22日間の記録音源を元に日記風に追った読み物でスタジオでのメンバーの会話とかが生々しく書かれてました。
有名なロンドンのアップルスタジオでの屋上ライブに至るまでにどんなことがあったのか。こんなに詳しい記録が残ってるんだと驚いたんですが、その様子を映像で見ることが出来るわけですからね。見たいに決まってる。
で、見ようと思ったんですよ。そうしたら、ディズニープラスというサイトの会員にならないと見ることが出来ない。単体でその映画だけの視聴というのが出来ない。いわゆるアーカイブという時間をずらして見ることも出来ない。
え、どういうこと、という感じだったんですが、でも、見たいんで会員になろうとしたんです。ビートルズだけ見て退会しようかなと思ってカミさんとそんな話をしてたら、彼女が「そういうのって退会するの大変よ」と言われたわけです。
彼女は、ネットのゲームとかショッピングをよく利用してるんで色々経験してるんでしょうね。それも何だなと思って知り合いのビートルズマニアに聴いたら、彼もそんなことを言ってて諦めたと残念がってました。
彼は、退会の仕方を娘に調べてもらってその大変さで辞めた、パッケージで発売されるか劇場で公開されること祈るしかない、と言ってましたけどね。この三日間のためにずっと会費を払うのも何だか気分も良くないですし。
ビートルズファンはもう高齢者ですからね。そういうウエブ関係の操作は苦手という人がほとんどでしょう。何だかそれを逆手に取られているような気もしますし。 金額の問題じゃなくて、これが今のビジネスなのかなあという感じです。
だってパッケージが出れば買いますよ。劇場で公開されれば見に行きますよ。なのにそういうことじゃないところで取引されてるみたいな気もしますし。でも、今日、見た人もいるんだよなあ、と思うと、これで良かったのかなと思ったり。
サッカーのワールドカップがネットのスポーツ局に権利を独占されてテレビ放送が出来なくなってる、というのに近いのかもしれませんね。ファン不在で物事が進行してしまう。音楽はまだそこまで行ってません。
というわけで、気を取り直して。曲ですね。拓郎さん「ビートルズが教えてくれた」。岡本おさみさんがなくなったのは11月30日。今年は7回忌ですね。山陰中央新報という新聞社から岡本さんの本「旅に歌あり」の復刊が決まりました。僕も寄稿することになりました。じゃ、お休みなさい。