消えちゃいましたからねえ。かなりダメージがありました。仕事の原稿だったら一回消してしまってもまた書かなければいけないわけですが、これは仕事じゃありませんからね。同じことを書くことほど空しいことはないわけです。
生放送のトラブルは修正のしようがない。諦めるしかない。でも、やっぱり書いておきたいということで二日遅れとなりました。三日遅れの便りを乗せたのは都はるみさんの「あんこ椿は恋の花」ですが、まだ二日です。
と言えその日に書くのとは温度感も変わってくる。勢いもなくなってる。どこまで同じような熱になるかどうかは分かりませんが、初めて京都の喫茶店を色々回ったという記録にはなるでしょう。カミサンお寺、僕サテン、という滞在でした。
何で喫茶店を回ろうと思ったのか。去年、松本隆さんの取材があった京都の喫茶店に感動したというのが発端ですね。名前書いちゃいますね。「火裏漣花」というお店。市内の中心部、御池通という大通り近くの路地裏。いわゆる古民家風ですね。
表通りからは全く分からない。看板も出てない。知らないと行きようがない。え、こんなところにこんなお店があるんだ、という懐かしいような驚き。で、ああいうお店は他にもあるんですか、と松本さんに聞いたら何軒か教えてくれたんです。
東京は喫茶店がどんどん減ってますからね。居心地のいい喫茶店があるかどうかが、その街の文化度を示すバロメーターでしょうし。そう思ってネットで「京都喫茶店めぐり」みたいな検索をしてみたら、あるわあるわ。
果たしてどのくらい回れるか分からないけどやってみようか、と思ったわけです。でも、やってみたらかなり大変。京都の街はそんなに広くはないですが、道が細かい。しかもそういうお店ですから見つかりにくい。
お店の地図はネットで見てもこちらの土地勘がないんで、北や南はもちろん、右も左もわからない。電車で回ると駅を降りても動きようがない。結局、タクシーに乗って運転手さんに連れて行ってもらうしかない。
でも、17日か、かなり回りました。入ってコーヒーを飲んだのが4軒。場所を確かめて外観だけ写真を撮ったのが2軒。面白かったですよ。昔風な民家を改造してあるんですが、外観は昔風で中は吹き抜けのブックカフェという町家カフェとかね。
中も改造してないまんまの町家があったり、雑居ビルの中にある70年代風なサブカルカフェだったり。ブックカフェは多いみたいですね。やはり雑居ビルの中にあるカウンターと二人掛けのテーブルの上品なお店とか、どれもほんとに個性豊か。
高田渡さんの歌の中に出てくる「イノダ」は本店と三条店と両方行きました。本店は町家風、三条店は石造りの明治風。歌に出てくるのは本店だったこともわかりました。最終日は、京都大学のある一角に行ったんですが、そこも素晴らしかったです。
有名な「哲学の道」という遊歩道がありますよね。あのあたりは京都大学の学生街。すごいんです。昔の高田馬場とか御茶ノ水の比じゃない。昭和風な喫茶店があちこちにある。時間が止まってました。
海外にいつ行かれるか分かりませんからね。京都にしばらく滞在してゆっくり喫茶店を回るというのはとっても贅沢な時間の過ごし方に思えました。それが来年のテーマかなあと思って帰ってきました。
そもそも最初の仕事がタウン誌の編集ですからね。と言っても50年以上前ですが(笑)。気分はそういう感じになるんです。でも、疲れました。あと何軒か行ってみようかとは思ったんですが、足も頭も限界でした。
という中で今日は疲れを押してのRADWIMPSのインタビュー。アルバム「FOREVER DAZE」があまりに素晴らしくて、うまく話が聞けるか緊張しましたが、いいインタビューになったと思います。その話は明日。
というわけで、曲ですね。喫茶店の歌、色々ありますが。やっぱりこれにします。はっぴいえんどの「風をあつめて」。京都の路地には「風」が吹き抜けてます。朝の人気のない喫茶店に行ってみたい。じゃ、おやすみなさい。