昨日、明日もあるから内容には触れません、と書きましたけど、出演者も曲目も全く違う内容でした。共通していたのは、はっぴいえんどの「花いちもんめ」「12月の雨の日」「風をあつめて」と鈴木茂さんの「砂の女」「微熱少年」だけでした。
後は、大滝さんの曲のインストメドレーですね。確かに、出演者の顔ぶれは事前に公表されていたんで、そんなに気にすることはなかったのかもしれませんが、ツアーや連続コンサートは終わるまで内容には触れない。習性ですね。
はっぴいえんどはアンコールみたいな形でしたから、本編は全く変わってました。鈴木茂さんの2曲も歌われる場所が違ってました。昨日、オープニングの2曲だったのは、はっぴいえんどの人で始めたかったんでしょう。
昨日の開演前のBGがトランザムの「ああ青春」、今日はクミコさんの「接吻」。昨日はアグネスチャン、太田裕美さん、森口博子さん、イモ欣トリオ、斉藤由貴さんとか、女性の歌う「青春」という感じがありましたからね。
今日は違いましたね。大人路線。松本さんのキャリアに正面から向き合ったという感じでした。はっぴえんど前に組んでいたバンド、エープリルフールの小坂忠さんとか、初プロデユースした南佳孝さん、「雨のリグレット」の稻垣潤一さんとかね。
でも、さあ、次は誰が出てくるのか、何が歌われるのかという興味は昨日と同じ。あ、これもあるのか、こんな曲あったっけと思わされるのもそうですね。この場に及んでもまだ知らない曲がある。松本隆畏るべしです。
今、この人だから次はあの人かな、とか、推理する楽しみもありました。松田聖子さんの曲をどうするんだろう、とかね。昨日は、鈴木瑛美子さんが「瞳はダイアモンド」を歌ってましたけど、今日はすごかったです。
客席から万雷の拍手を浴びていた一人が、さかいゆうさん。達郎さんの「いつか晴れた日に」をキーボードで歌い上げたかと思ったら、何と、風街バンドを従えて聖子さんの「SWEET MEMORIES」を歌ったんです。すごかったですよ。
井上鑑さん率いるバンドも素晴らしかった。縦横無尽なジャズアレンジというのかな。完全に自分のものにしていた。二曲とも一世一代の熱唱。あんな「SWEET MEMOREIS」はもちろん、あんなさかいゆうさんも初めて見ました。何か開眼したんじゃないでしょうか。
聖子さんの曲は吉田美奈子さんが二曲歌ったんですが、これが一番の拍手だったかな。何と「瑠璃色の地球」と「ガラスの林檎」。二曲とも全く違う歌だった。「瑠璃色の地球」が宇宙のソウルミュージックに昇華してました。
「ガラスの林檎」は、「国際フォーラム」で行われた、2015年の45周年コンサートでも聴いてましたけど、あれから5年。更に年期が入った、呆然と聞き入ってしまうくらいのすごみのある歌になってました。
はっぴいえんども曲は同じですけど、昨日は「12月の雨の日」で元サニーディ・サービスの曽我部恵一さんがゲストボーカルで入ってましたけど、今日は、サポートでキーボードを弾いていた鈴木慶一さんと鈴木茂さんでした。
鈴木慶一さんのはちみつぱいは、はっぴいえんどと同じ事務所。鈴木茂さんがはっぴえんどに入ることになったのは「12月の雨の日」のイントロを弾いたことがきっかけだった。一緒に歌うべき二人だったと言っていいでしょう。
松本さん、二日ともドラムを叩いてました。「半年練習した」と言ってましたけど、味のあるドラムでしたよ。ドラムセットもリンゴスターと同じものだったそうです。彼は、ビートルズの日本公演を客席で見ていて、「あそこからここまで50年かかった」と言ってました。
でも、思ったほど感傷的にならなかったのは、歌っていた人の世代が広かったからかもしれませんね。あれから50年が経った。なくなった人も多いけど、僕らはまだ生きてる。その事実だけあれば、それ以上の感傷は要らない、という感じだったのかもしれません。音楽っていいなあ、と思えた、いいコンサートでした。
二日とも立ち会えたこと、そして、多少なりとも関われたことに感謝します。本が間に合って良かったです。曲ですね。今日はさかいゆうさんが歌いましたけど、達郎さんの「いつか晴れた日に」を。じゃ、お休みなさい。