9月29日に発売になりました。Bank Bandのこれまでの3枚のアルバムからセレクションしたベストアルバム。といっても単に既発曲を集めただけじゃないです。MISIAと歌った「forgive」とか宮本浩次さんとの「東京協奏曲」とか新曲もあります。
ということもありますが、何よりも待望という感じなのがライブでしょう。二枚組のDISC2はライブ盤。過去のライブも名場面曲が収められている。今まではDVDの映像にしか残されてませんでしたからね。
ラジオ番組なんかでapbank fesやBank Bandの話をする時にはスタジオ盤をかけるしかなかった。話を音で補足できなかった。どこか物足りなかった。明日、某機内放送の番組で特集するんですがライブ音源でやれるんですよ。
僕が見ていたのは2005年から2016年かな。基本は静岡県掛川市の「つま恋」で、2012年は仙台とか淡路島「つま恋」が加わってます。2016年からapbank fesだけじゃなくてRe-Born Art fesも加わって石巻になりました。
僕が見せてもらっていたのは、2012年までの「つま恋」と一回目の石巻ですね。その翌年に熱中症になってしまってそれ以降は遠慮しました。でも、忘れられないシーンがいくつもあって、その時の模様がCDになってました。
ライブ映像とライブCD。今は映像の方が主流でCDになるものの方が圧倒的に少ないですが、記憶の喚起力というのは「音」の方に軍配が上がると思ってるんですね。そのままの情景が画面にあるよりも「音」が呼び起こしてくれるものの違い。
あのシーンが蘇る。何と言っても2005年に桜井さんがMr.Childrenの「HERO」を歌っていて感極まってしまった場面でしょう。2005年。それまで陽水さんとか佐野さんとか、当時は夏フェスには出ないと思われていた出演者が続いた三日目ですね。
浜田さんが出てBank Bandで歌った。それが終わって送り出した後の「HERO」だったんですね。「HERO」に、中学生の時に身振り手振りをまねたという歌詞があるんですが、それが彼にとっての浜田さんと重なり合った。MCも入ってました。
ASKAさんと一緒の「はじまりはいつも雨」とか小田さんと一緒の「言葉にできないと」かね。二人とも常連の出演者でしたからね。ASKAさんが客席に降りて歌った次の日に出た小田さんが、そのことを知って客席を走って歌ったこともありました。
そんな音源の極めつけが、2012年にRougueの「終わりのない歌」の時でしょうね。スクリーンに車いすで「Wonderful World」を歌う奥野敦士さんが紹介されて、桜井さんが彼の話をしたんですね。
事故にあって彼が半身不随になってたのは知ってましたけど、え、歌えるようになったんだ、という驚きに涙しました。桜井さんは、その映像を見つけて群馬に彼に会いに行ってるんですね。その話は奥野さんからも聞きました。
彼があの時にああいう場所であの映像を流さなかったら、パラリンピックの閉会式はどうなっていたでしょうね。もうRougueを知らないという人が多くなってましたからね。音楽ファンが知る機会は限られていたでしょう。
2005年の一回目のapbank fesのことを「毎日新聞」に書いた時についた見出しが「幸福な三日間」。そういう時間でした。あれ以上の夏フェスは、まだ日本には存在しないようにも思えますし。そんな思い出が記録されたCDでした。
で、明後日から阿蘇ロック。史上最悪の環境で行われた野外フェス「BEAT CHILD」の会場。34年ぶりに訪れます。が、阿蘇の噴火!さてどうなるでしょう。曲ですね。Bank Bandで「HERO」。ライブバージョン。じゃ、お休みなさい。