8月15日。終戦記念日。76回目。でも、コロナ禍と豪雨災害で日本中がそれどころじゃない感じです。日本はワクチン戦争に負けた、という指摘もあったりします。コロナ禍が第二の敗戦にならないことを祈るばかりですが。
FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」8月特集、「本城和治の50曲」の最終週の構成を考えながら彼が手掛けた色んな曲を聴いてました。その中にあったのが森山良子さんの「さとうきび畑」。9分を超える長い曲です。
何とかあの曲を入れたい。他の曲の長さとか全体のバランスを考えないといけないわけですが、入れるようにすると思います。最初にレコーデイングされたのは1969年。フルサイズでCDになったのは2001年でした。
作詞作曲は芸大出身の寺島尚彦さん。1967年に沖縄を訪れて沖縄戦の悲劇に触れて書いたという曲ですね。今も米軍が最初に上陸した読谷や北谷のあたりはさとうきび畑が一面に広がってます。風が通り抜けるような光景はあの歌の通りです。
直太朗さんも一緒に歌ったことがあるんじゃないかな。で、彼が自分で「反戦歌」と言っていたのが、2003年の「夏の終わり」です。夏の終わりの日本の風景を切り取ったような叙情的な歌に彼の祈りが込められてます。
一見、そういう歌に思えないのは「さとうきび畑」に近いかもしれません。でも、歌詞の中には、ダブルミーニングのように戦争の記憶が織り込まれてます。”焼け落ちた夏”には、空襲の後という意味もありそうです。
時は流れ、記憶は薄らぎ、でも、心の傷口はむしろ深くなってゆく。夏草の茂った野辺にあの時と同じ風が吹き抜けてゆく。直太朗さん版の「さとうきび畑」でしょうね。親子二代の反戦歌。心がつながってます。
太平洋戦争でなくなった日本人、約310万人。コロナ禍でなくなった人、世界で約435万人。この数字をどう受け止めればいいんだろう。曲ですね。「さとうきび畑」と「夏の終わり」、二曲続けてどうぞ。じゃ、お休みなさい。