正式にはそうじゃないですね。LINE CUBE SHIBUYA。場所も少し変わりましたし外装も内装も全く違う新しいホールですが、やっぱり渋公と呼んでしまいます。公園通りを上ってゆくと、そこに渋公がある。
85年だったと思いますけど、バービーボーイズを東横劇場で見た時に、杏子さんが、「公園通りを上ってゆきます!」と宣言してましたけどね。渋公の上に代々木第一競技場。当時はオリンピックプールと言ってました。
東横劇場というのもそのうち、人々の記憶から消えるでしょうね。建物自体がなくなりました。建物どころかと地下鉄のホームまで移動してしまいました。渋谷の大地主というのかな、東急東横線は駅舎もなくなりましたからね。
東京でも由緒ある街をあそこまで壊滅的に変貌させていいのか、と思いますけど。渋谷は死にましたね。だれが、こんな街にしたんだろうと迷路のような駅構内を歩くたびに思います。だって、宮下公園は空中公園ですよ。笑っちゃいます。
そういう話じゃないか(笑)。ステージで僕らは渋谷で結成されました、と言ってたデリコの20周年ツアーの東京公演。昨日と今日。お客さんは半分。開演は5時。「NACK5」の大宮の収録が終わって軽くお腹に入れたらもう開演直前でした。
この前も書きましたけど、「J-POP TALKIN’」が60分番組になって完パケの時間が倍近くかかるようになってる。横浜で甲斐バンドの野外があって、見納めになるのかなあ、と思ったりしてましたけど、到底間に合わない。
デリコは去年、インタビューもしてますしお誘いも頂いたし楽しみにしながら会場に向かいました。彼等のバンド形式のツアーは4年ぶりと言ってましたね。何だか見違えるような力強いロックコンサートでした。
何が今までと違ったか。ひとつは、音ですね。これもNAOKIさんが「スピーカーを作っちゃいました」と言ってましたけど、彼等のオリジナルのスピーカー。普通のロックコンサートで使うものとはかなり違う。
ギターの弦の音が象徴してましたね。弦のしなりというか響きというか、太さみたいなものが強調されている感じ。太くて芯があって、細やかで歪んでいる。弾力性があって艶もある。津軽三味線みたいに聞こえたりしました。
そういう華のある音だから当然、NAOKIさんのパフォーマンスも派手になる。バンド全体が、それに引っ張られる。そして、もう一つの華であるKUMIさんが生き生きしてる。動きとか声とか、鍛えたんだろうなあと思いました。
そうか、ツアーだからですね。演奏やステージと自分のバイブレーションが一体になってる。充実ぶりが伝わってきました。20年もやってる人たちに、こんな言い方は失礼極まりないでしょうが、何度目かのライブ開眼という感じでした。
最近の活動はライブよりスタジオ、みたいに見えているのも確かでしょうから。自作のスピーカーでツアーをやってるのは彼等くらいでしょう。しかもコロナ禍ですからね。全会場でスタッフも含めたPCR検査をやりながらなんだそうです。
そこまでやってるんですよ。ミュージシャン、スタッフ、全員が毎回、PCR検査をしている。検査機材を持参してツアーをやってるわけです。ともかく会場から感染者を出してはいけない。綱渡りですよ。
みんなそこまで気を使ってライブをやってるとは政治家も医師会も知らないでしょう。何かあるとすぐにライブ中止とか簡単に言うな。また腹が立ってきた。茨城のオリンピック会場には子供を入れるそうじゃないですか。
オリンピックは教育の場、フェスは不良の温床。まさかそんなこと考えてるんじゃないでしょうけど。だとしたら世の中何も変わってないじゃないか。若者たちはそれでいいのか。まだ「ロックに政治を持ち込むな」とか言ってるのか。
少しは目が覚めてほしい、と思ったりするわけですが、話が逸れました。でも。医師会にも色々あるんですよ。僕らの街はワクチン接種が東京でも数えるくらいに早くてスムースだったんです。
市内の40以上の病院ほぼ全部で個別接種をしてくれた。病院が遠い地区の人は大規模接種会場まで無料バスを出してくれた。医師会の全面協力あってこそ。僕はこの街の医師会に感謝してるし、誇りに思ってます。
というわけで、話があちこちに行きましたが、曲ですね。デリコで「Freedom」。彼らが一番大切にしているメッセージです。じゃ、お休みなさい。