またしても「何だかなあ」という釈然としない気分。ちゃんと実情を見てほしい、というロックファンの怨嗟の声も当然だよなあ、というやりきれなさ。この場に及んで、まだエンターテインメントをやり玉に挙げるのか、という空しい怒りもこみ上げてきます。
茨城県ひたちなか市で行われるはずだったロック・イン・ジャパンの中止。去年出来なくて、今年は感染対策を万全にしてやるということになってるようでしたけど。地元の医師会からの中止要請でやむを得ず、だそうです。
5月には千葉の方でやってましたからね。ノウハウは備わったという手ごたえもあったんでしょう。でも、医師会に言われて、それでもやります、とはさすがに言えないでしょうから、仕方ない、ということになるんでしょうが。
が、ですよ。「やるな」という根拠は何なんだろう。カミさんと話してたら、彼女は業界の人じゃありませんから「だって、フェスはみんなお酒飲むでしょう」と言ってましたが、同じような物差しなんだとしたら、それはとんでもないですよ。
ホームページにはアルコール禁止はもちろん、マスク着用やソーシャルデイスタンスについての細かい実施要項がアップされてます。それをちゃんと見たのだろうか。見て言ったのだとしたら、何が問題なんだろうか。
もっと言えば、医師会というのはそういう組織なんだろうか。民間の催しに中止を要請することがどのくらい必要性を持つのだろうか。そういう対策をとって行うイベントが医療体制の崩壊につながると思ってるのだろうか。
僕は、4年前かな。熱中症で救急車のお世話になってから夏フェスは引退してるんで、もう自分で行こうとは思いませんけど、これだけ広く普及してきた音楽の楽しみ方をそうやって奪うことが出来るのだろうか。
イベント関係者、コンサート関係者はどこも死活問題ですよ。フジロックは海外バンド、アーテイストを呼ばない、という日本のバンドやアーテイストの気概を示す場になってます。何が何でも成功させる、という覚悟でしょう。
コロナ禍での医療関係者の方たちの身体を張った涙ぐましい治療はただただ敬服するしかないと常日頃から思ってます。それと今回の要請とは、僕の中でどうにも一致しない感じなんです。
緊急事態宣言の中で医師会の偉い人が政治家のパーテイに出ていたというニュースもありました。個々のお医者さんの倫理や使命感と組織になった時の政治的な思惑とは別なのかもしれない、と思ったり。
四度目の緊急事態宣言も、今までの効果や教訓に対しての検証もないまま、なし崩しの成り行き任せで決まってるようにも見えますし。飲食にすべてを押し付けているのと同じ。オリンピックを無観客にするんだからフェスもやるな、というのは筋が違わないでしょうか。
オリンピックとフェスを一緒にしようとは思いません。でも、音楽で生活している人にとってはオリンピックのために犠牲になれ、と言われて、ハイ分かりましたとはならないでしょう。うーん、言いたいことが止まらない。
言えるのは、問題はそういうことじゃないと思う、ということですね。理不尽、ということに尽きます。頭に血が上ってきた。曲ですね。氷室さん「TASTE OF MONEY」を。オリンピックにうごめく生臭い利権に比べたら夏フェスで動くお金はきれいなもんですよ。じゃ、お休みなさい。